皆の者、息災か。
加藤清正である。
今日は信長様、秀吉様、踊舞、なつの布陣で出陣して参った。
うだるような熱さではあったが多くの者が登城してくれた。
まこと嬉しく思う。
その気持ちに少しでも応えようと白熱した儂。
滾る気持ちを載せ、心のままに槍を振るう。
その刹那。
悪鬼羅刹の仕業であろうか、
今、
再び、
籠手が、
破損する事と相成った。
ここに至り、またもや腕を晒す恥辱を被ることとなった。
もののふが斯様な姿を客人に見せること。
実に情けない次第じゃ…。
「恥を忍び 恥をもだして 事もなく
ものいはぬさきに 我は寄りなむ」
わかる、わかるぞ名も知れぬ詠み人よ…。
加藤清正