前田又左衛門利家也。
名古屋城へ登城せし皆々よ。
大儀ぞ。
名古屋城は直ぐ近く、昨日より開設致したは金シャチ横丁へと、いざ出陣。
尾張名古屋の旨いもんが勢揃い。
織田軍の馬揃えをも思わす熱気に儂も興奮冷めやらぬ。
我が丹田も火照る程。
臍下三寸に位置する丹田は胃に近し。
気は心と申すが、感情が波打つ時、必ずや此の丹田が打ち震う。
胃に物を入れし時、少なからず此の丹田に通ずるものと思いしは、旨いもんを食す時に感ずる幸福感も納得致せる。
左様。人間、一日一食旨いもんを食さば、気は満ちて死のう等とは思わぬものよ。
金シャチ横丁は此れ、命を繋ぐ天下の台所と成ろう。
皆下、愉しみ勇みて食すがよい。
英気を養い、名古屋城へいざ参れ。
本日も仰山の出逢いが在りし事、誠に有り難し。
久しき出逢いも数多在りて、可愛や童も暫く〔しばらく〕見ぬ間に立派に成った。
嬉しく思うぞ。
明日、三月三十一日。
十人演武〔月に一度の十名全員揃い踏みでのパフォーマンス〕
出立式。
皆との出逢い。心待ちに致して居るぞ。
春。
満開の桜の下、名古屋城で相見えん〔あいまみえん〕。
名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家