前田又左衛門利家也。
旅まつり。
日ノ本、否、万国の旅情報が集う催しが行われた。
旅では無いが、昨年我が治めし加賀国へ尾張名古屋の観光周知を致しに訪れた。
戦場〔会場〕と成りし松任と申す地。
四百年前。今でも儂が羽織る鍾馗図の陣羽織を初めて披露致した土地じゃ。
太閤殿下〔秀吉〕を御出迎え致す際、派手好みの殿下が喜ぶ様にと我が妻 まつ が手縫いで拵えた羽織。
勿論の事、殿下は御機嫌麗しく我が妻を労い、儂に対しても格別な計らいにて感謝を示された。
又、儂も裾の長き傾いた〔かぶいた〕身形〔みなり〕は此の上無く嬉しく思うた。
長年付き添うと、何も申さずとも求めて居るものが解る〔わかる〕と云う綺麗事では御座らぬ。
長年付き添うたとて、相手が真に望む事を真摯に想像致す事。
考える事を諦めねば結果、其の思いは何とか相手に届くで在ろう。
愛とやらは、目に見えぬものは一番伝わり難き代物。
故にこそ、人は美しきものを仰山見ねば為らぬ。
真に美しきものを目に致す時、心が響動めく〔どよめく〕で在ろう。
身が打ち震えるで在ろう。
此の刹那、ようやっと人は目に見えぬものに気が付くのじゃ。
何処かしこに転がる愛とやらに。
詰まる処、我等が土日祝日に披露致す演武〔パフォーマンス〕を観に名古屋城へいざ参れ。
名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家