前田又左衛門利家也。
名古屋城へ登城せし皆々、大儀ぞ。
我等、名古屋おもてなし武将隊は我等が故郷 此処 尾張名古屋を日ノ本一、否、万国一に致さんが為、数多の戦場、土地土地に出陣致し、尾張周知に努めて居る。
中でも先日、御屋形様〔信長様〕御一行。
蝦夷の地に御出陣遊ばされた。
御屋形様よりの御土産話を直直に耳に致す事叶い、有り難き仕合せと思いし処へ徳川殿が土産の品を寄越してくれた。
応。忝のう〔かたじけのう〕御座る。
蝦夷の香りが致すわな。
中身は蝦夷の空気のみ。
小癪な事を致しよる。
少し経ち、陣笠隊 踊舞〔とうま〕が蝦夷土産を御献上致したく馳せ参じまして御座りまする。と現れた。
蝦夷より帰りし侭の身で儂に土産を持参致した。
こ、此れは。
鮭の皮揚煎餅。
流石は踊舞じゃ。
四百年前よりの我が好物。鮭の皮を寄越すとは、なかなか愛い奴よのぅ。
早速喰らい尽くし、既に我が腹の中。
鮭の皮、畳一畳分献上致せば、城一つ与えると申した過去が在る故に、此度の量で換算致した結果。踊舞には我が座布団と其れが敷き置ける土地をくれてやろう。
踊舞。大儀ぞ。
我が心遣いの品は家宝に致せ。
名古屋城では仰山の者との交流在りて、出逢いし皆々よ。実に〔げに〕大儀ぞ。
小さき童の大名行列の如き一団と出逢いしは、礼儀正しく皆挨拶を心得た良き一団で在った。
又、逢おうぞ。
名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家