前田又左衛門利家也。
名古屋城へ登城せし皆々よ。
大儀ぞ。
此度は御屋形様〔信長様〕を御大将に、織田家家臣の中で一番有名な儂と、我が朋輩 秀吉。
懐かしき戦国の黄金期を飾る織田家布陣で在った。
付き従いし陣笠隊なつ、一之助〔かずのすけ〕も全力で客人を巻き込む強打の布陣。
力強く勇ましき戦振りを想像致すやも知れぬ。
然し乍〔しかしながら〕、蓋を開けてみれば実に〔げに〕面白可笑しき布陣で在った。
天竺〔インド〕の民は儂を見て天竺の顔だと申す。
否、否、四百年前から日ノ本の民じゃ。
嗚呼、四百年前に天竺から日ノ本に渡って来られたのですね。。。
違わい。
捨て置き、我々も此の現世に蘇り、早八年。
此れ迄〔これまで〕、名古屋城で出逢いし民を数えたら一体何れ程の数に成ろうか。
思えば、此の現世に無礼な者は多し。
我等が大名を、諱〔儂で在らば利家〕を呼び捨てに致すとは言語道断。
然し乍〔しかしながら〕、視点を変えれば全く違うものと成る。
我等も聖徳太子と同等の者として此の現世の民は扱う。
誰も聖徳太子に敬称は付けまい。
崇める対象も上り詰めると呼び捨てに成る。
其れ程に尊敬の念を持ち民が我等に接する事は誇らしき事でも在る。
此れに恥じぬ様に生きねば為らぬ。
此の様に、現世を知る事は己が自身を知る事と通ずる。
思えば、此の現世に優しき者多し。
我等、名古屋おもてなし武将隊が八年もの歳月を歩んで参れたは、我等を温かく見守る尾張名古屋の民、遠方より参り出逢いを重ねてくれた者、数々の戦場で掛け声にて援軍致す者、小さき童との触れ合いを快く許す旅の一家。
数多の出逢いが我等を温かく支えてくれた。
今、改めて皆に申す。
有り難し。
明日は我等 名古屋おもてなし武将隊 八周年祭。
此の感謝を根刮ぎ〔ねこそぎ〕其方〔そち〕等に打つけて〔ぶつけて〕参る。
たまには我等にも、礼を致す機会を与えよ。
名古屋城で待って居る。
武将隊珍品の数々も出揃う明日、賑わいの中で懐かしき面々にも逢いたいのぅ。
愉しみ勇めや皆の衆。
名古屋城にて相見えん〔あいまみえん〕。
名古屋おもてなし武将隊 織田家一番槍
前田又左衛門利家