前田又左衛門利家也。



不機嫌な天候の中、陣笠隊 なつは畳鎧に笠を被りて雷を呼び寄せる。

龍の咆哮が如き雷に、なつは身の危険を察知致し木影に身を潜める。

案ずるな。我等には名古屋城が在る。



名古屋城へ登城せし皆々、大義である。

皆は無理せず屋内へと避難致せ。



儂と出逢えば身の危険を察知致して、小さく固まる小童へ。

儂は雷では無い。

夏の盛りも終え、退陣間際の空には勝虫で在る蜻蛉が溢れて居った。



うむ。此度は勝戦。



童に泣かれる事も無く、平穏無事に一日が終わる。

明日も明日とて名古屋城。

集えや、皆の衆。

名古屋城で待っておる。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家