前田又左衛門利家也。



皆の衆、息災か。

絆 夏の陣。

愈愈〔いよいよ〕、狼煙〔のろし〕が上がる。



首元が艶やか為る御館様〔信長様〕を御尊顔叶わず。

残念至極也。

然し乍〔しかしながら〕、明日は我等 三英槍が昼の戦〔和傘絵付体験〕を務めて参るぞ。



徳川殿の奢らぬ才を受けて、儂も負けては居られぬ。

勿論、主等とて気持ちは同じで在ろう。

槍捌き為らぬ、筆捌き。

慶次郎も筆を握らせると人が変わるからのぅ。

果たして、清正が如何様な筆捌きを魅せるのか。

見物で在る。

我等、三英槍は明日。誠の天下一を決するぞ。

誠。誠。誠。誠ばかり口に致す、誠に五月蠅き陣笠隊 章右衛門〔しょうえもん〕の筆捌きは、誠に忍び泣く程の目にものを魅せるで在ろう。

個人的に激しく期待致す。

踊舞〔とうま〕は肚に色々と蓄えて居る故、其の筆により思いの丈をぶち撒ける事で在ろう。

絆 夏の陣。昼の戦は、主等を巻き込み天下一を決する戦いじゃ。

上手い下手では無いぞよ。

何れ程楽しめたかの勝負で在る。

雄雄雄おおぅ。

儂は誰にも負けぬぞ雄雄雄おおぅ。

主等も昂る想いを声に乗せ。


叫べ。


さぁ、夜の戦は。。。かんらからから。

新作演武〔寸劇含めたパフォーマンス〕ぞ。

懐で温めに温め抜いた大事な我が子を晒すかの如く、我が子の晴れ舞台に致しては此の上無き処。

名古屋能楽堂にて、日ノ本、否、世界初御披露目。

期待致せ。



どはっ。



ぐ、ぐふ。



荘厳華麗為る能楽堂に見合うものを届けて参る。

と我等が御大将 御館様が仰せじゃ。

皆の者、頭が高い。頭を垂れよ。

又左。

はっ。拙者も頭が高いと。

御無礼致しまして御座いまする。



お、恐れ乍申し上げます。既に控えて居る身で御座います故、どうか御慈悲を。

身の丈、六尺〔凡そ182㎝〕無駄に大きいと。

御館様。どうか、どうか御慈悲を下され。



皆の衆、共に頭を垂れよ。



ぐがは。御館様が御佩刀為さるは、伝家の宝刀。。。

続きは明日の刀剣談義を楽しみに待て。



全ての想いを背負いて。



楽しみ勇めよ。



名古屋おもてなし武将隊 織田家一番槍
前田又左衛門利家