前田又左衛門利家也。



若武者の咆哮、鬼神の如く也。



此度、名古屋城にて演武〔パフォーマンス〕を届けて参ったは加藤清正、他四名。

我等、名古屋おもてなし武将隊が毎週土日祝日に披露致す演武を初めて目に致した者も多かろう。

其処で、主等が未だ知らぬ演武の魅力を伝えて参る。

題して、


演武又語り。


我等には名乗り口上が有る。

此の際、立ち回りを披露致すのだが、清正は槍を振るい乍〔ながら〕鬼神の如き声を発し相手の動きを封じて参る。

左様。

掛け声には、敵を威嚇し其の挙動を制する働きが有り、更には闇雲に大きな声を発せず下腹部のみに圧力をかけ低く掛ける事により、腹や脳を活性化させ精神を落ち着かせる役割も有る。

此れ即ち、丹田呼吸法也。

戦に際して敵と対峙致せば、武士〔もののふ〕為れど身体が力むものじゃ。

皆も非常の際、力む身体を落ち着かせる為にも清正の如き掛け声を勧め致す。

心気体の一致により、己が驚く程の力が得られよう。

皆の衆、再び演武を目に致す際には、是非、清正の咆哮に注目致せ。

低音響く清正の其の声に、主等の心も震えようぞ。



さぁ、名古屋おもてなし武将隊 公式呟き〔Twitter〕にて伝令。

信長様の大号令〔名古屋城を天下一の名城に!〕から生まれた〔まずは演武にお客さん1000人集めるぞプロジェクト〕

施作其の一:でっかい案内看板立ててみる!今日から実施!!



演武来客千人を目指し、此れよりも信長様より新たな御達しが告げられる事であろう。

我等の呟きにも耳を傾けて参れ。



さぁ、さぁ、演武又語りより伝えたき事がもう一つ有る。

来る、七月二十四日。


武士語 -もののふがたり- 2016


開戦迫る。

我等が名古屋城にて演武で披露致す歴史の一幕。

然し乍〔しかしながら〕、名古屋城にて披露致すには歴史の断片しか見せられぬ。

其処で、名古屋おもてなし武将隊の面々が戦国乱世を如何様に生き抜いて参ったのか。

現世に生きる皆々に届けたき想いとは何ぞや。

此れを凝縮致し、〔ZeppNagoya〕にて届けて参る。


暗く長き戦乱の世。

我等は、岩の割れ目より咲く花を、何れ程慈しみ愛でたので在ろうか。

荒〔すさ〕み行く世の中に在れども、人と人とが見つめ合う其の眼差しだけが我等の生きる希望で在った。

人を信じ抜く事に最も難儀致した時代。

其でも、諦めぬ我等が居た。

今の時代も同じでは無かろうか。

信じる事に最も小さき勇気が必要な主等に、此の〔武士語 -もののふがたり- 2016〕が小さき一歩を踏み出すきっかけと成ろうて。



我等は命を削り届けて参る。



死ぬる覚悟無ければ、皆々の小さき勇気は小さきままに、明日も物干し竿にぶら下がるまま。

安心致せ。

主等の明日は儂が請け負った。

一番槍。

槍の又左の名の下に、集えや皆の衆。



明日も名古屋城にて待っておる。





名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家