皆の衆達者であるか?



大ふへん者前田慶次じゃ!









皐月十七日。巧妙な手捌き。
日中の暑さは堪らんのぅ。皆は如何か?
夜はちと寒いが、よう分からん。
解せんこと、難解な事柄が多い浮世。
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我が何故立髪か。
何故常人の道から外れると傾奇なのか。
何故空は青いのか。
何故虹は何色も重なるのか。




万物を解き明かす刻は来るのであろうか。


絵空事を申してみる。







さぁ。此度の日記は
奇想天外な技と題目が付いておる通り
綴って参るのじゃが。


我等名古屋おもてなし武将隊は演武といったパフォーマンスなるものを見せておる。



六武将、四陣笠
其々持ち味がある。



では、我は。





誰よりも奇抜な出立ち
繰り出す槍捌きは奇想天外な技多し。
意外性一番槍といったところか。


槍使いは三人。
叔父貴、清正、慶次
三英槍と呼んでおる。



三者の色がある。
…肌の色ではない!




我は皆朱の槍を持ち
槍には螺鈿を装飾し我が想いを槍に掘り見た目に拘った。

この槍から繰り出すは



誰よりも多く回し
目にも留まらぬ速さ
我が手が槍の如く
一心同体


其れが我が槍。




然れど、此の慶次の性格に似て
じゃじゃ馬じゃ。




もっともっと
民が目に付く
槍捌きをしろと言うてくる。






此奴も我の魂が宿っておる。






蘇って一年。
槍との対話が増えた。



掛太鼓という舞を始め
朱槍を空高く投げ飛ばして
皆の視線を演武場から空へ移す。




他の者に出来んじゃろ?





最近はより高さが増しておる。
風が強い時もある。




此の朱槍は我が槍。
風を切る走りを見せた。松風。


松風を感じさせてくれるのじゃ此の槍は。




叔父貴から習いを受けた
型を時には
どん!と決める。


無論。我は武士。


然れど、我は傾奇者。





いちいち体を捻らせ、足を地から高く離し
飛んで見せては
重く突いて魅せる。
流麗に槍を回し
目で追うのが楽しくなる。



戦の傷は数知れず。


今でも傷は負う。

此れよりも増える。



男の勲章ってやつじゃな。





童子が我の槍に魅了され
朱の拵を手に我等の演武を観に参る。


最近
くるくる回せるようになったと披露してくれたわ。




我が華を咲かせし
槍の先は
現世で血を流すことなく
泰平の世に向かう
一振りとなろう。
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以上
名古屋おもてなし武将隊
天下御免ノ傾奇者 前田慶次郎利益




追記
朱槍を持つは武辺人の証なり。
真ん中(大将)に立てぬ漢じゃが、存在を凌駕するこそが漢の道。