前田又左衛門利家也。



我等、名古屋おもてなし武将隊の要。

陣笠隊。

多彩な色を放つ四名の陣笠隊。



其の中でも、戦国乱世より馴らした料理の腕前は随一。

陣笠隊なつ。



なつの知恵で、なごやめしの新たなる知識を深めて参るが此度の企画。


陣笠隊なつの教えてなごやめし。


〔儂〕さぁ、なつや。此度のなごやめしは何ぞ。

〔なつ〕はっ。 みなさま、こんばんは。 陣笠隊のなつでござります。

〔儂〕。。。なつや。なごやめしは何ぞ。

〔なつ〕し、失礼いたしました。ころでござりまする。

〔儂〕ころ。可愛らしき響きであるが、尾張名古屋生まれの儂でもよう分からぬのぅ。

〔なつ〕解説いたしまする。〔ころ〕とは、温かくない麺のことでござりまする。
語源は、冷たくても香りの立つ、濃いめのつゆを使うことから香露〔こうろ〕が訛ったといたしまする説。
石ころやさいころ、あんころ餅のように、小さいものや丸いものを指すときに使う〔ころ〕と同じ意味といたしまする説。
と、諸説ござりまする。
あっ。つい話し過ぎてしまいました。失礼いたしました。

〔儂〕うむ。ええぞ。なごやめしを熱く語るなつ。ええぞ。其の調子じゃ。

〔なつ〕も、もったいなきお言葉。

〔儂〕して、なつや。語源から察するに、此の〔ころ〕、なごやめしの特徴でも在る濃く深き味わいが楽しめるのじゃな。

〔なつ〕流石は利家様。説明は不要でござりまする。

〔儂〕うむ。続けよ。

〔なつ〕はっ。みなさま。利家様にお褒めいただきましたよ。

〔儂〕。。。続けよ。

〔なつ〕し、失礼いたしました。
つゆはざるうどんのつゆを想像していただければほぼ間違いないのですが、このつゆが少ないのも特徴でござります。
配慮の行き届いたお店では、そのつゆに氷がいくつか入れられており、氷が溶けても味が薄まらないのでござります。

〔儂〕おもてなしの精神を感ずるのぅ。此よりの季節は〔ころ〕に限るな。

〔なつ〕左様でござりまする。しかしながら利家様。〔ころ〕は、うどん店としてはあまり出したがらないという話があるのでこざります。

〔儂〕むっ。何故じゃ。

〔なつ〕はっ。麺の味や舌触りが如実に感じられてしまい、暖かいうどんではごまかせるものが、ごまかしきれないからでござりまする。
故に、〔ころ〕があるかどうかは、うどんの麺に自信を持っているかどうかの判断材料になり得るのでござりまする。

〔儂〕左様か。店に入る際には事前に調べねばならぬのぅ。
して、なつや。此度の〔陣笠隊なつの教えてなごやめし〕実に天晴れであった。

〔なつ〕みなさま。利家様にお褒めいただきましたよ。



〔儂〕なつや。儂が褒めたら有り難き幸せと申せ。

〔なつ〕し、失礼いたしました。ありがたきしあわせにござりまする。〔ころ〕には、きしめんころ、うどんころ、各種ござります故、みなさまも、利家様のご不興を買う前に是非一度ご賞味くださりませね。



〔儂〕全て聞こえておるわい。

〔なつ〕し、失礼いたしました。いたしました。ました。



なごやめしを探して三千里。今日も今日とて三千里。なつよ。戻って参れ。



さぁ、明日も名古屋城では我等の演武〔パフォーマンス〕じゃ。

陣笠隊なつも明日の名古屋城出陣迄には戻って参る筈。



皆の衆、名古屋城へいざ参れ。

演武来客千人。

明日も全身全霊駆け抜けて参るぞ。



うむ。我が顔が見えぬ。





皆の者、名古屋城焼けには用心致せ。



名古屋おもてなし武将隊 織田家一番槍
前田又左衛門利家