前田又左衛門利家也。



我等、名古屋おもてなし武将隊の要。

陣笠隊。

多彩な色を放つ四名の陣笠隊。




なつ。


隊内唯一の女子〔おなご〕で在るが故に、年齢を聞くのは要注意。齢四百を超えたら男も女も同じだと申す儂は、なつばかりで無く、日ノ本全土の女子を敵に回した。

まつ〔我が妻〕よ。許せ。

現世に蘇りて写真機を手に致す事、幾数万。なつが切り取る風景は実〔げ〕に美しく、風と共に去りぬ景色を、逃さずとも柔らかな優しさを感じさせる写真に変えてしまう。誠に天晴れな腕前じゃ。

更には、戦国乱世より馴らした料理の腕前は随一。なつの知恵となごやめしを掛け合わせると思いもよらぬ新たな なごやめしが誕生致す。

其処で此度の緊急企画。


陣笠隊なつの教えてなごやめし。


〔儂〕此度のなごやめしは此方〔こちら〕。

ひつまぶし。

旅に訪れし皆々は勿論の事、地元尾張の民をも魅了致す此のひつまぶし。

食し方は三つ。

先ず、鰻飯を其のまま食すべし。

次いで、薬味〔刻み葱、刻み海苔、山葵〕をかけ混ぜ食すべし。

最後は、出汁を注ぎ、湯漬けの如く掻き込むべし。

儂としては、二つ目の食し方が好みであるが、此の薬味を何か別の物に致せぬかのぅ、なつや。

〔な〕はっ。其れならば、梅干し等は如何で御座りましょう。

〔儂〕如何様な味に成るのじゃ。

〔な〕先ず、薬味で食すのが好みと仰有られます利家様は、さっぱりとした味わいが好みかと存じます。

〔儂〕左様。

〔な〕其れならば、梅干しの酸味でさっぱりとした味わいに成り、尚且つ出汁を注ぎ入れても、最後まで梅干しの塩気で美味しく味わえまする此の食し方が良きものかと存じます。

〔儂〕なつ。ようやった。さぁ、梅干しひつまぶしをこさえて参れ。

〔な〕かしこまりまして御座りまする。

〔な〕御座りまする。

〔な〕まする。



梅干しを探して幾千里。

今宵、なつが帰って参る事は遂ぞ無かった。。。



さぁ、なつが帰って参れば明日も〔陣笠隊なつの教えてなごやめし〕を続行致す。

期待有れ。



最後に名古屋城へ登城せし皆々、大儀であった。

演武〔パフォーマンス〕来客千人。



童も集えや名古屋城。



陣笠隊 一之助や。日記帳で励む姿。我が命を一途に守る姿。大儀じゃ。

故に、わっしょい禁止の命は未だ続く。



名古屋おもてなし武将隊 織田家一番槍
前田又左衛門利家