祭り大好き!名古屋城利家様葉桜祭りじゃー!陣笠隊!一之助!一之助!!かずのすけに

黙れ一之助。

名古屋城、共に出陣致したとて日記帳の乱入許すまじ。



改めて、前田又左衛門利家也。


青葉が目に染みる程に美しく、名古屋城にも爽やかな風が吹く。

空の色も、陽の光も、風の音も。

季節は今、変わってしまった。

左様、美味たる初鰹の季節と成ってしまった。


今は昔。

鰹を生で食す事、此れ即〔すなわ〕ち、死に急ぐ事を意味致した。

鰹は傷みが早い。

現世に比べ保存方法の乏しき乱世では、生で鰹を食して食中毒と成り命を落とす者も有り。

初鰹。

禁断の魚。

其処まで申すと意地でも食したく為るが儂、前田又左衛門利家と云う男。

命を懸して、初生鰹、いざ食す。





うむ。脂身も少なく、弾力の在る此の食感。さっぱりと致す此の味わい。

実〔げ〕に美味である。

脂身の甘さを好む者は、戻り鰹の季節まで刻〔とき〕を待て。





さぁ、槍の向くまま、気の向くままに。

今宵の眉毛占いは朱槍が唸るのぅ。

誰ぞ。此の朱槍の主は。



我が甥、前田慶次郎利益。

細き上がり眉より見えたる、慶次郎の本質とは如何に。


流行に敏感で、きめ細やかな性格。

成る程。

傾奇者〔かぶきもの〕と呼ばれる慶次郎の事、奇抜な髪型を致して周囲を驚かせ乍〔ながら〕も、きめ細やかな拘〔こだわ〕りを持ち己の意志を貫く眉であるな。


他人の評価を気に致す反面、其れに応えようと致す純粋さも此の眉の特徴。

うむ。

我乍、眉毛占いも結構当たるのぅ。

皆の期待が高まれば高まる程に、慶次郎は其の期待を超えて参る。

此の勢いが、名古屋おもてなし武将隊 目下の目標。

毎週土日祝日に披露致す、演武〔パフォーマンス〕来客千人を現実へと導くのじゃ。

集えや。皆の衆。



名古屋城へいざ参れ。



ぐぬぬ。

腹が。腹が。腹が。

うぉぉ。

鰹め。

負けて堪るか。

わっしょーい!!

名古屋城へ集いし皆々、うぐぐ、、、大儀。

負けるなよ。皆の衆。

鰹なんぞに負けるなよ。

わっしょーい!!

腹に痛みの覚えが有れど、思わず食すが初鰹。

美味たる幸せを主等に裾分致そうぞ。

主等の腹が幸在らん事を祈る。

わっしょーい!!

一之助や。

わっしょい禁止じゃ。



名古屋おもてなし武将隊 織田家一番槍
前田又左衛門利家