前田又左衛門利家也。



過ぎし日を振り返らずとも、流るる血潮と為りて、我が身の内にて温めたる灯火よ。


昨日、一月十二日。

我が愚息、利長の生誕日。

数多の戦場を共に駆け、父は背中で語るものと致し、我が思いを汲み、加賀前田家を継ぎ繁栄させし我が愚息。

思えば、宴席で伊達政宗と喧嘩を始めた事もあったな。

家臣等は動揺致しておったが、父は嬉しく思う。

利長の身の内にも、滾〔たぎ〕る前田の血潮が流るると。



利長や。生まれ育まれた其の命に感謝。

又、何時ぞや、杯を酌み交わす日を楽しみに致す。

前田が家臣。皆、家族と思いたれば、此の世に生きとし生ける全ての命に又、感謝。



さぁ、滾るは政宗も又然り。

先日、仙台は藤崎百貨店〔伊勢志摩・紀州・名古屋フェア〕にて周知戦に参ったが、我等 名古屋おもてなし武将隊は名古屋を世界一の観光都市に致すべく、日々、日ノ本全土を駆け抜け名古屋の周知に尽力致すべく蘇りし武士〔もののふ〕集団である。

戦の合間。宵の宴。

奥州・仙台 おもてなし集団 伊達武将隊 の面々と盃を挙げて、両隊の更なる繁栄と日ノ本の安寧を祝した。



此処で政宗が申す。



利家様、伊達流の御酌。御覧に入れましょう。
鼠尾鼠尾馬尾〔そびそびばび〕


おおぅ。溢れるわぃ。
政宗や。酌は昔より、鼠尾馬尾鼠尾〔そびばびそび〕であるぞ。
始めちょろちょろ、中 太く、終いちょろちょろに致せば溢れる事も無し。


利家様。伊達家は昔より、御酌の終いは馬尾に御座います。
勢いを持ちて溢るる既〔すんで〕の処で御止め致しまするが此、伊達の生き様に御座いまする。


政宗や。やりよるのぅ。
伊達流の酌。気に入った。
ほれ。主も呑め。
今宵は宴ぞ。
かんらからから。からからからら。



皆の衆、呑むなら寝るな。否、呑むなら乗るな。



名古屋城で又会おうぞ。

去らばじゃ。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家