皆の衆、息災であるか。

前田又左衛門利家也。


函館の荒波を背に尾張名古屋を多いに宣伝して参った二日間。
此度、二度目と為る蝦夷の地は心地よき秋風と共に爽やかさ際立つ遠征であった。
故に汗も滲まぬ程。
無論、手を抜いた訳では御座らんぞ。

 

食欲の秋に相応しい、はこだてグルメサーカスと云う祭りは日ノ本全土の旨いもんが集まり、参加した皆々の顔も自然と綻ぶ程じゃ。

何より嬉しく思いしは、函館民の気安い人柄である。

皆々に温かく迎えられ、舞台上での清正の講談に観衆から突っ込みが飛ぶ始末。
我が問い掛けにも、気安く反応する函館民の素直さに戦中幾度も救われた。

唯、我等が近付くと相も変わらず涙を流す年端の行かない童達。
此だけは何処に参れど変わらぬ光景。
所謂、武将あるあるじゃ。

 

蝦夷あるあると申せば、読み難き地名にある。
蝦夷の地名は独特な響きを持つ。
此は、阿伊努〔アイヌ〕民族が使いし地名に日ノ本の漢字を当てはめたからで、全ての自然を神と崇める阿伊努民族の魂が地名に脈々と受け継がれておる。
自然と共に生き、所詮人間は自然に生かされておると云う意識が、蝦夷の民人の大らかな気質に繋がっておるのじゃ。

 

さぁ、人柄、食物、共に良好。
皆々、必ずや函館に足を運ぶ事を勧め致す。

函館、広くは蝦夷の民よ。
必ずや尾張の地へ参れ。
名古屋城にて礼を尽くしてもてなそうぞ。

 



最後に、烏賊の旨さに完敗。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家