皆の衆、息災であるか。

前田又左衛門利家也。


夕暮れに静けさ運ぶ涼風に蝉の声さえ愛でし恋しや。

名古屋城へ登城せし皆々、大義である。


今は昔。
徳川殿が名古屋城築城を命じ、清正が天守閣石垣造りを買って出た。
我が愚息、四男 利常も前田家を率いて石垣造りに参加致す。


名古屋城内の石垣、見渡すと数多の印が在る事に気付いたであろうか。

此を刻紋と云い、主に紛失盗難防止の為に石に刻まれた印である。

我が前田家の刻紋はと申せば、団子三つに串が刺さった印である。

さて其れは、団子か首か。今と為っては分からぬ事よ。


夏の夜の暑さ凌ぎに為れば幸い。
主等も名古屋城登城せし折りには、刻紋探しに勤しむのも又よきかな。


さぁ、明日は、かぶきもん祭りに、ど祭りと続く祭り日和。



祭り好き陣笠 一之助や。



わっしょい。わっしょい。わっしょい。


煩いわい。



一之助も喜びの境地。何時にも増してわっしょいしておる。

一之助に負けず劣らず、主等も参陣致すのじゃ。

此の際、粛々と神を奉れなどと戯れ言は申さぬ故、皆々の参陣待っておる。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家