皆の衆、息災であるか。

前田又左衛門利家也。


蝉は夕暮れに落ちて候。

名古屋城へ登城せし皆々、大義である。


女は男の三歩後ろをついてくる。
美しき日ノ本の風習に御座る。


戦国乱世。何処で誰ぞに襲われるやも知れぬ道中を、男は先行き女を守る。
然し其れでは格好がつかぬ。
故に申すは、黙って儂について来い。


名古屋城天守閣の金鯱は、云わずと知れた雌雄鯱。
冬。雌を守るかの如く北風を背中で受けたるは勇ましき雄の姿也。
然し其れでは格好がつかぬ。
故に申すは、雌が上座に座るでない。


見栄を張り、意地を通すが男道。
其れに黙って気付かぬ振りを、したるは女の美徳と知れ。


加藤清正。此の男。
間直進が過ぎる故、不正を正すが己が道。
清く正しく。男たるもの美しく。
着物の白さと肌の白さが相まって、此度も世の迷い事を正すのみ。

金鯱さながら名古屋城を守備致す。

 
 
我等、尾張に集いし三英槍。
明日も皆々を待っておる。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家