又左じゃ。




皆々、息災であるか。






本日七月二十五日

「本日の出来事」は



長宗我部元親 降伏




長宗我部元親といえば、あまりに有名。

正確に申せば、現世では有名というべきか。





この男、実はわしはあまり知らぬ。

話にはよう聞いたがな。





四国の覇者と言われる猛者である

幼き折には「姫若子」と言われ、槍の使い方すら知らぬ有様であった様だが

初陣の際には功を上げる比類無き働きをしたとか。



そんな長宗我部であるが、小牧・長久手の戦いの際には
徳川方として四国におる羽柴方を次々に攻めた。



小牧・長久手の戦いにて和議成立後は目立った動きはできなんだが

秀吉による天下平定へ向け、四国にも秀吉の弟・秀長殿を総大将とする
凡そ十二万の大軍が乗り込んでくる。



対する長宗我部は四万。

普通ならば降伏を選ぶところだが、長宗我部は違った。




「決戦せずに降伏するのは恥辱であり、たとえ本国まで攻め込まれても徹底抗戦する」

と言い、また降伏を勧めた重臣らを罵倒し

「腹を切れ」とまで言っておる。




なんとも傾奇者じゃて。

だが、その心は認めざるを得ぬ。





結果としては降伏する事となるが、この一件にて男を上げたわぃな。





長宗我部元親。

わしとはあまり接点のない男。





されど、興味はある。

いつぞや酒でも交わしてみたいものじゃて。










あやつは土佐の者故、酒豪。


土佐にて自ら禁酒令を出したにも関わらず、自らは隠れて酒を飲み
家臣に見つかり、開き直りから禁酒令をあっさり廃したと聞く。




飲ませ過ぎは注意せねばな…





では、
本日はこれにて御免。

前田 又左衛門 利家