皆々、様々な理由を抱えて名古屋城へ
やって参る。
単純に名古屋城をみてゃあ思いで来とる者
ノリタケの森ついでに来とる者
勉学の為にやって来とる者
ほいで、中には
わし見たさに来てくれる者や、おなご探しの合間に来てくれる者もおる。
理由はともあれ
来てくれるだけでありがてゃあ。
わしと出会って、喋ってくれるだけでありがてゃあ。
わしゃ現世の民が好きだで。至福の時よ。
うむ。
昨日は出陣前に何だか悪い予感がして
突如、誰かに頭を狙われるのではにゃあかと不安に駆られ
兜をかぶっての出陣。
秀吉やっとかめ兜。
そぞろ歩きに始まり
白鳥への挨拶
登城者への声掛け
等々無事行われとったんじゃが、
写真撮影のときに不穏な空気を感じとった。
…何者かに見られとる…
鋭い目線を感じる。
ハッ!
パッと頭上へ目線をやると
そこには一羽のカラスが。
時折、こちらを見下ろしとるではにゃあか。
気付けば、やたらとカラスの鳴き声が聞こえる。
それも、ある法則の元に聞こえることがわかった。
やつらは、わしが写真撮影の際に発する「はぁー!」っちゅう声の直後に鳴いとる。
ある者曰く、
どうやらカラスの鳴き声とわしの発する声が似とるようじゃ。
わしの声に反応しとったわけか。
分からんでもにゃあ。
まぁええ。
兎に角、兜をかぶって正解だったがね。
カラスが頭上におっちゃ、いつ糞を落とされるかわからんでね。
まだまだわしの野生の勘も健在のようじゃ。
どれだけカラスに囲まれようとも
わしゃ声を出し続けるでね。
皆々ついて来てちょうよ。
昨夜の内に綴る予定じゃった日記帳。
慣れぬ兜をかぶったせいか疲労倍増しており、綴っとる最中に夢の中へ…。子の刻に目覚めたときには時すでに遅し。こうして朝に日記帳公開するに至ったことをここにお詫びいたす。
詫び茶