サルだぎゃ






 






わしは現世に蘇り、客人より手紙をもらう機会がようけある。手紙をもらうっちゅうのは、嬉しいことでござるなぁ。書いてくれるもんよ、ありがとさんじゃ!






 






しっかし、手紙ちゅうのは、どう書いたらええかわからんもんで書かん、ちゅうもんもおりゃあすかな?






 






まぁ、好きに書いたらええんじゃが、書き方の基本もある






 






そこで、此度はそれを学んでいこみゃあ






 






太閤ゼミナール梅雨時収集講座じゃ!!!






 






一限目は「手紙の基礎」からじゃ






 






まずは、例文をあげよみゃあ






 






 






寧々様





拝啓





梅雨明けの待たれるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。





2011年も半分を過ぎ、4月にCDデビューをするなど、名古屋開府400年を過ぎても慌ただしく活動しております。





さて、わし、現世に蘇ってしばらく寧々殿の顔を見ておりませんが、何して過ごしとりゃあすでしょうか。思えば、400年前も、戦やらなんやらで碌に家におらんかったわし。最近、ようやく落ち着いてきました。わしは元気ですので心配せんでください。





日中には暑く、しかし、朝晩はまだ冷え込むもんで体にはお気をつけくだされ。





敬具





平成二十三年六月八日





豊臣秀吉





 






 






手紙の構成を色分けしてみたで、確認してちょう






 






宛名頭語時候の挨拶前文主文末文結語後付にわけられるんじゃな 






 






宛名は、手紙を送る相手の名を書く






 






頭語は文の始まりに置く言葉で、結語とたいがい対応しておる






 






次に、時候の挨拶で始めることで、文を美しく飾れるんじゃ。慣用句もあるが、自ら考え、季節感を出してみるのもおもしろいわのぅ






 






次に前文。前付ともいわれやあすが、相手方の安否や、自身の近況報告を置くと、本文に入りやすいちゅうことじゃ






 






そして、本文に書きたいことを書く






 






そのあと、末文で結びの挨拶をし、結語を置く






 






最期に、後付として、日付、署名を置く。住所を添えてもええ。宛名は後付に置くのも、日本古来の書き方の一つだがね






 






どうじゃ、こんな風に書けば、きれいな手紙がかけやあす






 






しっかし、これはあくまで手本。思いや目的によって形は変わってもんだで、これにとらわれず、自らの手紙で伝えたい思いに合う形を見つけてちょうよ!






 






太閤のワ「倚門の望」