【2017.6.13】DANGAN185【見どころ】 | 武士道ボクシングⅤ

武士道ボクシングⅤ

ノーブルアート(高貴な芸術)と称されるボクシングの写真を撮影しています。

 

 拳四朗(BMB)のWBC世界Lフライ級王座獲得に続き,比嘉大吾(白井・具志堅)もWBC世界フライ級王座を獲得するなど盛り上がりを見せている日本軽量級シーン。WBA・Lフライ級王者,田口良一(ワタナベ),WBAフライ級王者,井岡一翔(井岡),WBOミニマム級王者,福原辰弥(本田F),WBO・Lフライ級王者,田中恒成(畑中),そしてWBO・Sフライ級王者,井上尚弥(大橋)と日本人ボクサーが世界軽量級王座を独占状態としているが,本日のメインイベントには,これらタイトルを虎視眈々と狙う両者が日本フライ級王座統一戦というサバイバルマッチに挑む。


 正規王者,粉川拓也(32=宮田)は現在,WBAフライ級4位,WBC6位,WBO7位,IBF8位にランクしており,この統一戦を明確にクリアすれば,かつて2度経験した世界タイトルマッチへの扉に大きく近づく。
 本戦は粉川にとって5度目の防衛戦となるが,昨年10月に行われた新井雄大(渡嘉敷)戦で負った怪我による長期ブランク後の初戦でもあり,その影響が気になるところ。

 

 遡ること12年前,粉川は’05年6月にプロデビュー。プロ6戦目で初の黒星を喫したものの,その後連勝連勝。18戦目でOPBF・Sフライ級タイトルを獲得。続く19戦目に当時無双のポンサクレック・ジョンウォンカム(タイ)が持つWBC世界フライ級王座に挑戦したが,最大8ポイント差をつけられ屈辱の判定負け。しかし20戦目で日本フライ級王座を獲得し,3度の防衛を果たした後,26戦目に敵地タイにて,王者ヨドモンコン・ボー・サエンティップ(タイ)が持つWBA暫定世界フライ級タイトルマッチに挑んだが,不可解な判定に泣き,またもや世界王座獲得を果たせなかった。


 対する暫定王者,元日本ライトフライ級王者(V4返),黒田雅之(30歳=新田)は、粉川のブランク中にユータ松尾(ワールドS)を下し暫定王座を獲得。

 黒田は粉川より1ヶ月早い’05年5月にプロデビュー。対戦相手を次々に病院送りにする圧倒的な強打で全日本新人王を獲得するなど着実にステップを踏み,’11年5月,日本Lフライ級王座を獲得。’13年2月には,ファン・カルロス・レベコ(亜)が持つWBA世界フライ級王座に挑戦したが,レベコの卓越した左にいなされ続け最大6ポイント差をつけられ惜敗している。


 本戦は昨年3月以来の再戦であり,前戦では黒田が中間距離での打ち合いを挑んだが,引き出しの多さでは粉川が一枚上手。粉川が最大6ポイント差をつけての3-0判定勝利。今回,同じ轍は踏まぬと一気挽回を狙う黒田にとっては,日本王座二階級制覇達成も勿論であるが,何より粉川が持つ世界ランクを奪い,再び世界戦線に躍り出ることが最大の目標。どちらにせよ,この一戦を制した者が,世界に一歩近づくことは間違いない。


 セミには,比嘉大吾の返上によって空位となったOPBFフライ級王座決定戦に中山佳祐(ワタナベ)が挑む。中山は元アマ社会人王者の肩書きを引っ提げ久留米櫛間ジムからプロデビュー。ワタナベジム移籍後,チャンスを掴み,前戦では日本フライ級5位,OPBF同級7位の望月直樹(横浜光)を下しランクインしている。


 リングは戦場,拳は弾丸。今宵も両の拳を弾丸の如く錬磨し,己の生きざまを謳い戦う拳闘家たちの熱きドラマを心ゆくまでご堪能ください。

 

日ノ本一(ひのもとはじめ)

 

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