今日の『健康情報局』 − チョコレートのウソ・ホント −
『健康情報局』
− チョコレートのウソ・ホント −
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甘いものが食べたくなるとつい手が伸びるチョコレート。
虫歯や肥満のもとといわれてきましたが、最近は、実は健康に
良いという話も耳にします。実際のところはどうなのでしょうか。
次の項目はウソかホントか、考えてみましょう。
<どれがホントで、どれがウソでしょうか。>
◆チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれている
◆フラバノールには「血圧低下」「抗動脈硬化」の働きがある
◆フラバノールは「認知機能の改善」の効果が期待されている
◆どんなチョコレートでも上記のような健康効果が期待できる
◆市販のカカオ製品は、多く摂取すればするほどよい
◆体重40kgの女性が高カカオチョコレートを100g以上食べると、
カフェインの安全な1回量を超える可能性がある
それぞれの答えは次の通り。
◆チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれている
<ホント>
フラバノールはポリフェノールの一種で、チョコレートやココアの主原料
となるカカオ豆に豊富に含まれています。チョコレートには赤ワインより
多くのフラバノールが含まれています。
◆フラバノールには「血圧低下」「抗動脈硬化」の働きがある
<ホント>
フラバノール含有量の高いココアを摂取すると、一酸化窒素が増え、
血管拡張(血圧低下)、血小板凝集抑制(抗動脈硬化)などにつながることが分かっています。
◆フラバノールは「認知機能の改善」の効果が期待されている
<ホント>
フラバノールを少なくとも520mg、毎日摂取している高齢者は、
認知能力の大幅な改善を示しました。つまり、フラバノールの摂取は
認知機能を改善する可能性があるのです。
◆どんなチョコレートでも上記のような健康効果が期待できる
<ウソ>
フラバノールの含有量は作物の品種タイプ、収穫後の処理、
および加工技術に依存するため、製品によってフラバノールの比率がかなり異なります。
市場には、フラバノールの苦みをおさえるため、調整されたものが出回っています。
成分調整ココアをたっぷり使ったダークチョコレートのフラバノール含有率は、わずか約0.5%。
ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、フラバノールは低いか含まれていません。
フラバノールが含まれていないとなれば、当然、本来フラバノールが持つ
心血管疾患や高血圧への利点も残っていないのです。
◆市販のカカオ製品は、多く摂取すればするほどよい
<ウソ>
ほとんどの市販のカカオ製品は、たくさん摂取すると、飽和脂肪酸や糖分により、
カロリー(500kcal/100 g)の摂り過ぎになります。そして、カカオのプラスの効果を
打ち消すほどの、体重増加や血糖の上昇を招きます。
◆体重40kgの女性が高カカオチョコレートを100g以上食べると、
カフェインの安全な1回量を超える可能性がある
<ホント>
欧州食品安全機関(EFSA)によると、健康な成人が摂取しても安全とみなした
カフェインの量は体重によってかなり幅があり、体重40kgの人なら1回120mgまでとなっています。
一方、カカオ70%以上の高カカオチョコレートに含まれるカフェイン量は100g当たり68〜120mg。
市販の板チョコは1枚約60gなので1回に100g食べるということはそうそうないかもしれませんが、
とはいえ体重が40kg程度の痩せた女性が高カカオチョコレートを100g以上食べると、
安全な1回量を超えてしまう可能性があることになります。
参考文献:EFSA explains risk assessment. Caffeine