好きなものが一致するより

嫌いなものが一致する方が大事だよねと

透析のスタッフさんと話していたのだけれど


昨夜見た「光る君へ」の終盤で


北の方(正妻)は無理だから妾になれと提案する道長(柄本佑さん)に

妾(しょう)は嫌だと泣きじゃくるまひろ(吉高さん)の姿が頭から離れなくて


あの人は私の

聞き分けがないところが嫌いで

私はあの人が

心変わりしたところが嫌いだった


言いたいことを飲み込んで

いつもの聞き分けがいい女を

演じていたならば

友だちではいられたのかもしれないけれど


嫌だったの


あの人の優しさが他の女に向けられるのは

毒にも薬にもならない二番手に甘んじるのは


ス一パ一のお菓子売り場でひっくり返って泣く子どもみたいに

異性に対してわがままを言ったのは

あの人が初めてだったな


知らなかったよ


自分がこんなにも強い気持ちを

誰かに対して抱くだなんて


一番以外は意味が無い

そんなの自分とは無縁だと思っていた


愛とは許すことだと

若いスタッフさんに

訳知り顔で説いていたけれど


あの人の心変わりを

許せないでいる私は

愛しているのではないのかな

ただ 好きでいるだけなのかな


どちらが尊いのかは判らないけれど