アソビットを跡にして


コスプレ衣装で重くなったバッグを


引きずりながら、夜の秋葉原を


ブラブラ歩いていたら、


深夜2時過ぎでしょうか。


一台のパトカーが10m先で


ハザードを点滅させながら停車した。


高架下にダンボールで壁を作って


寝ている方達の様子を見に行くのかと


思っていたら、懐中電灯が迷わず


僕の方に向けられて歩いてらっしゃる。


お巡りさんは笑顔で近寄りながら


「お兄さん、ちょっとお話聞いて


良いかな。」


お巡りさんは目の前まで来るなり、


「ビックリした!何だマスクか。


鼻血出してるのかと思った。」


その時していたマスクには


鼻と口と鼻血が描かれていて


たまたま近所にこれしか売ってなくて


仕方なくです。昼間は道行く人々に


冷たい視線を頂きました。


お巡りさんは2人組で


「今から何所に行くの?旅行?


最近、家出する人が多くてね。


申し訳ないですが荷物を見せて


もらっても良いかな?」


これは、昔から憧れていた



職務質問


人生初でございます。


感激のあまり、つい


「よろこんで!」


と言ってしまいました。


まずは背中に背負った袋から、


「ノートにカメラにカーナビに、


ジュースくらいですよ。」


と僕が言いながら見せていると


お巡りさんが袋の奥にチラッと見えた


小さな金属が気になったらしく、


「奥のアレは何?」


僕が何も言わずに袋にサッと手を


入れた途端、お巡りさんが身構えた。


そんなにビクビクするんなら


自分で勝手に確認すれば良いのに


どうやら規則でそれはできないらしい。


完全に刃物を持っているか、


探ってらっしゃいます。


僕は勢い良く引っ張り出して、


「牛革のアクセサリーですよ。」


お巡りさんはホッとした様子です。


気軽な感じで質問してみた。


「刃物をお探しですか?」


「うん。念の為だから気にしないで。」


気にはしないけど、刃物は無いけれど、


僕には触れただけで簡単に


人を傷付けてしまう両手がある。


凶器は刃物だけとは限りません。



続きまして旅行バッグの確認。


まずはポケットから。


大した物は何もないのですが


「その金属は何?」


車の鍵に警戒心をいだいてらっしゃる。


ポケットの確認が終わってメインに。


僕がチャックを開いた瞬間、


お巡りさんが2人とも釘付けになって


覗きこんでいる。


「ヤッターマンのドロンジョ様の


コスプレじゃないですか。いいな~。


ドラゴンボールの亀仙流のコスプレ


まで。いいな~。」


おいおい。


2人で盛り上がってんじゃね~よ。



最後に両手を挙げさせられて


ボディーチェックです。


1人のお巡りさんは離れた所に待機中。


お巡りさんスキが多過ぎです。


両手を挙げさせてボディーチェック


なんかしてたら、親指2本で簡単に


倒されちゃいますよ。


1人倒せば、もう1人なんて楽勝です。



職務質問が終わってから


お巡りさんから一言。


「他のお巡りさんも巡回してるので


また職務質問されたら、その時は


付き合ってあげてね。」


僕の特徴を無線で回せば、


2度手間しなくて済むんじゃないの?


職務質問は初体験でしたが思った事は


秋葉原のお巡りさんは全くなってない。


1人は必ず僕の後ろにいる事。


それさえできれば、多分バッチリです。


でないと簡単に逃げられちゃいますよ。