○月✕日
曇
K中央病院入り口の信号が赤になり、私の運転するバスが、横断歩道の直前に停車。
左の歩道に立っていた老夫婦が、バスの前を病院の方向へ歩き出す。
杖をついた少し腰の曲がったおじいさんが、普通に歩けないおばあさんの手を引いて
明るい笑顔で、おばあさんに何か語りかけながら、ゆっくり、ゆっくりと…。
道幅のある国道、渡り切れるだろうか。心配して見守る。
ガンバレ!!と、運転席から無言の声援。
どうにか、反対の歩道に着き、二人そろってフ―っと息をつく。
私もホッとして、バスを走らせる。
そして、もう一度、老夫婦のほうに、何気なく目をやると
身体が不自由な二人が、相手の体を支え合うようにして、まだ立っていた。
その姿が、まるで「人」という字の形に見えた。
何だか、ジーンときてしまいました。
お二人とも、80歳は超えているでしょう。半世紀以上、ああやって「人」という字のように、支え合い、いたわり合い、仲良く寄り添ってきたんでしょうね。おじいさんの優しい顔と、おばあさんの安心しきった穏やかな顔が忘れられません。
