○月✕日 晴れ

 

 私の営業所に、勤続年数50年の男性運転手がいます。Kさん66歳です。Kさんは、童顔なのでとても66歳には見えません。温厚で、後輩にやさしく、みんなに慕われています。

 

 Kさんは、昭和44年に中学校を卒業して、このバス会社に就職しました。それから50年、半世紀以上、バス一筋です。すごい事ですよねー。大型二種免許は、21歳にならないと取得できないので、それまでの5年間は、雑用や車掌の仕事でした。

 

 昭和44年といえば、マイカーも今ほど普及しておらず、バスの黄金時代です。たくさんの人が、バスを利用していました。昭和40年~50年は、高度経済成長の真っただ中です。預金の金利が、8%~12%にもなった時代です。郵便局の定額預金が一番でした。半年複利で10年たてば、2倍以上になりました。今では、とても考えられませんよね。

 

 Kさんの話によると、当時、バス運転手の給料は、公務員より良かったそうです。毎年のベースアップは、1万円~1万5千円が当たり前でした。みんな、車を2年で買い替えるので、会社の駐車場は、新車の品評会のようだったとか・・・・。いい時代ですね。ニコニコ

 

 私は、Kさんより三歳年下です。Kさんが16歳で就職し、社会人をやっている頃、私は、親のすねをかじり、21歳まで学生生活を謳歌していました。そんな私より、中卒のKさんのほうがはるかに物知りで、人格者です。教えられることが、たくさんあります。これからも長くバス運転手を続けたい私にとって、Kさんの存在は、とても心強く励みになっています。

 

 

 

 Kさんが、入社した頃、会社にはボンネットバスが1台あったそうです。路線を引退し、予備車として走っていました。