○月✕日 はれ

 

 今年も、元日は仕事でした。午後番だったので、去年のように仕事中に、初日は見れませんでしたが、今年は、温かい気持ちにさせてくれるシーンを見せてもらいました。

 

 昼過ぎ、回送で駅に着くと、初詣や買い物の帰りなのでしょう、晴れ着姿の女性や、破魔矢を持った人、福袋を抱えた人などが大勢並んでいました。そんな中に、かわいいリックサックを背負った、小さい男の子と、その妹らしい女の子がいました。男の子のほうは、少し緊張ぎみです。

 

 バスが着き、ドアーを開けると、その二人が運転席にやってきました。そして、男の子が、「スイマセン、あの・・・・」を繰り返します。すると、横にいた女の子のほうが、助け舟を出しました。「お兄ちゃん、H台一丁目でしょ!!」と、ハキハキと言いました。男の子が、言いなおします。「このバスは、H台ニュータウンのH台一丁目に行きますか?」 「行きますよ」と答えると、安心した顔になり、妹を一番前に座らせ、自分は、そのすぐ後ろに座りました。

 

 話を聞くと、二人は兄妹で、男の子は小学校2年生、女の子は幼稚園の年長さんでした。おばあちゃんの家に行くのに、県庁所在地のT市から電車できました。いつもは、お母さんと一緒なのですが、今日は、初めて二人だけで来たそうです。初めてのお使いみたいですよね。偉いねと褒めてあげ、少し話をしている間に、お兄ちゃんの緊張もほぐれてきました。お兄ちゃんは、年上で責任を感じた分、ここに来るまで緊張していたのでしょう。

 

 「次は、H台一丁目です」の車内アナウンスが流れると、お兄ちゃんは、妹に降車ボタンを押させてあげました。やさしいお兄ちゃんです。バス停に着くと、白髪でまるい眼鏡をかけた、優しそうなおばあちゃんが、二人を待っていました。バスを降りると、妹は、にこにこ笑顔のおばあちゃんの腕に飛びついていきました。そして、おばあさんに頭を撫でられ、おばあさんと手をつないだ二人は、私の方を向き、手を振ってくれました。

 

 お正月から、いい光景を見せてもらいました。おばあさんと孫の幸せな気持ちが、いっぱい伝わってきました。