カリント工場の煙突の上に | 玉置浩二 |   MUSIC LIFE

  MUSIC LIFE

    No Life,No Guitar

 

 


カリント工場の煙突の上に
浮かんだ雲を眺め
帰り支度してる太陽を
追いかけて家路をたどった


風に揺れる万国旗を見ながら
遠い世界を旅してた
ばあちゃんの家のはなれで
一晩中星を数えた


僕は 町を捨てた 夢を探し始めた


白い紙にクレヨンで描いてた
零戦や潜水艦の絵も
葡萄色の着物を着てた
母親の似顔絵も


ずっと 胸の奥に 刻み込まれたまま


空よ 僕を忘れないでくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ


僕が今でも泳げないわけは
川で溺れたあいつのせいさ
堤防から放り投げた
花束は流れて消えた


路地裏で泣いてたあの娘が捨てた
赤い口紅のついてた煙草
さびれた商店街のアーケード
破れた金網越しのネオン


いつか 町に戻って 変わらないままでいて


空よ 僕を忘れないでくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ


市営住宅の中の広場で リレーしたんだ みんなで


空よ 僕を忘れないで 思い出してくれ
大空よ 僕をあの場所へ連れていってくれ
...カリント工場の煙突の上に... 
......カリント工場の煙突の上に......。