彼は目を閉じて枯れた芝生の匂い
深く吸った
長いリーグ戦しめくくるキックは
ゴールをそれた
肩を落として土をはらった
ゆるやかな冬の日の黄昏に
彼はもう二度と かぐことのない風
深く吸った
何をゴールに決めて
何を犠牲にしたの
誰も知らず
歓声よりも長く
興奮よりも速く
走ろうとしていたあなたを少しでも
わかりたいから
人々がみんな
立ち去っても私ここにいるわ
同じゼッケン誰かがつけて
またつぎのシーズンをかけてゆく
人々がみんな
あなたを忘れてもここにいるわ
何をゴールに決めて
何を犠牲にしたの
誰も知らず
歓声よりも長く
興奮よりも速く
走ろうとしていたあなたを
少しでもわかりたいから
人々がみんな
...立ち去っても私ここにいるわ...。