Negiccoを更新するNHKホールワンマンライブ<前編> | ブルブルシェンコのブルブリズム

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Negicco 13th Anniversary 『Road of Negiiiiii 〜TADAIMA〜 2016 Summer at NHKホール』

日時:2016年7月30日(土)18:00〜
会場:NHKホール(東京都渋谷区)
出演:Negicco




2泊3日の東京旅行へ行ってきました。
目的は、Negicco(ネギッコ)のNHKホールワンマンライブを観るためです。

Negiccoは2003年に結成、活動2年目となる2004年にNHKの音楽番組『ポップジャム』に出演した際にNHKホールのステージに立ちました。
全国放送の音楽番組に出演するもブレイクできず、スクールが廃校、メンバーが1人脱退、メジャーデビューの話が無くなるなど、いくつもの災難がありました。
しかし遠回りしながらも地道に地力を付け、2014年12月に『光のシュプール』がオリコン週間5位になったことを契機に、2015年にNHKの後続の音楽番組『MUSIC JAPAN』に2度出演。
再びNHKホールのステージに立つことができました。


↓2015年2月22日放送分について
http://ameblo.jp/buruwo/entry-11995431848.html
↓2015年8月30日放送分について
http://ameblo.jp/buruwo/entry-12071418042.html


そんなNegiccoにとって重要な場所であるNHKホールで、初めてワンマンライブを開催するわけですから、Negiccoの活動史の中でも重要な出来事になるはず。
これは会場に居合わせたい、その瞬間を目に耳に、五感に焼き付けたい。
そう思ったから、北海道を飛び出しNHKホールへ向かいました。
今年初めての道外旅行です。





ここがNHKホール。
NHKの音楽番組の収録、そして『紅白歌合戦』を放送している場所ですか…
大きいし、面構えに貫禄があります。
長蛇の列を成していた物販で江口寿史×NegiccoコラボTシャツとキャップを購入して入場。









Negiccoに贈られたスタンドフラワーの数々。
「にいがた☆JIMAN」で共演した小林幸子さんを始め、田島貴男(ORIGINAL LOVE)さん、坂本真綾さん他、贈られた方々の豪華さに感動。
特にDJみそしるとMCごはん(愛称:おみそはん)さんのスタンドフラワーはネギを模した作りに「大好きなNegiccoちゃんへ」というメッセージが添えられていて、おみそはんの人柄を感じて心が温かくなりました。

ライブ後のNegiccoメンバーのツイートによると、SCLLやPerfume、バニラビーンズなどからも楽屋にお花が届いていたそうです。





そして可愛らしいバルーンアーチも。
愛されているなぁ。

観客はやはり年齢高めな方が多いのですが、親子席が設けられたこともあり小さいお子様連れの家族も。
およそアイドル好きには見えない女性もちょくちょく見かけました。
7〜8人に1人くらいかな、もうちょっといたかな。
昨年の野音と比べて着実に女性が増えているのは、アルバム『ティー・フォー・スリー』効果でしょうか。




ホールに入った第一印象は、当たり前ですが、広い。
そして天井が高い。
でも、広いからと言って見づらいということは無い。
1階席Cエリアの後方に位置する私の座席もわりと近く、それでいてスケールも感じられる良席のようです。
ここで『紅白歌合戦』を放送しているのかと思うと、関係者でもないのに背筋が伸びます。


18:05に暗転し、歓声がホールの空間に轟きます。
響き方が完全に大箱ライブのそれです。

白幕(上の写真で“TADAIMA”と映されている幕)に、『MUSIC JAPAN』2度目の出演時に「ねぇバーディア」を歌唱したときの映像が流れます。
次いで、『MUSIC JAPAN』で10年以上ぶりにNHKホールに帰ってきた際に「光のシュプール」を歌唱したときの映像。

「2016年7月30日 私たちは NHKホールに帰ってきました。」

それを観た瞬間、一気に彼女達への想いが溢れ出てきて。

「ただいま」

白幕が上がり、白とピンクとライトグリーンの組合せの新衣裳を着たNegiccoが姿を表します。
1曲目はデビュー曲「恋するねぎっ娘」。
Meguさんがサンバイザーを被っていたりスポーティーなデザインで、どことなく『ポップジャム』に出た当時着ていた衣裳をオマージュしたような装い。
ただ、明らかに洗練されたものになっています。
ステージ後ろのスクリーンには『ポップジャム』の映像をシンクロさせるかのように流していました。
矢継ぎ早に「ねぎねぎRock〜私もお家に連れてって〜」「ネギさま!Bravo☆」「トキメキ★マイドリーム」という、セットリストに入らなくなった昔のライブ定番曲を重ねます。
「ネギさま!Bravo☆」の間奏では3人とも笛を吹いていました。
(笛を吹くのはサンバモチーフの楽曲だから)
この時間、嬉々としてコールを入れたり曲の決まり事をする観客と、どうしていいか分からずという観客が半々で、宇多丸(RHYMESTER)さんが言うところの「アダルト・オリエンテッド・アイドル」に相応しい客層への過渡期であることを実感しましたね。

この初期曲が続いた後に来た曲が「Negiccoから君へ」。
Negiccoを初期から支える音楽プロデューサー・connieさんへ、10年間支えてくれたことへの感謝の気持ちを歌った曲を持って来たのには感動しました。
そして右上を指差した曲の締めのポーズで再度白幕が降り、シルエットに。
この演出も素敵でした。

オケによる3人だけのパフォーマンスだった第1セクションが終了。
白幕に影絵のようなテイストのムービーが映し出されます。
新潟の国に住む3人娘が、割とすぐに舞踏会に立つことができたのだが、そこから苦難の連続で…
という、Negiccoの境遇を想起させるかのようなフィクションムービー。
ナレーションはconnieさん、イラストはNegiccoのグッズや「フェスティバルで会いましょう」MVなどを担当したアボット奥谷さん。
リアルな見た目の熊がサポートを買って出たり、眼鏡をかけたおじさんが馬車を用意してくれたり、ようやく再び辿り着いた舞踏会では、パッツンロングとウェーブロングとボブの3人組が迎えてくれたり…という内容。
所々で笑いが起きたり、MCを野次る要領でムービーに対してリアクションを起こす人もちらほらといましたが、私は黙ってじっと見入ってました。
心温まるストーリーでしたし。
舞踏会行きの馬車を引く馬にナレーションが「コニー…いやポニー」と分かりやすいボケを入れたところは笑いましたが。

「めでたしめでたし。
…この後どうなったかって?ここから先はこれからのライブを見て確かめて」

というニュアンスの粋なメッセージで締められて、白幕が再度上がると、NEGiBAND(ネギバンド)のメンバーがスタンバイしています。
第2セクションのスタートです。
ライブの出囃子として流されている長谷泰宏(ユメトコスメ)さん作曲のインストナンバー「Make Up Prelude」をNEGiBANDが生演奏!
野音の時も出囃子だけオケなことに違和感があって、折角の生演奏なのだから出囃子も生演奏にしてほしいと思っていたので、嬉しかったです。




そしてその生演奏に合わせて、2着目の新衣裳を着たNegiccoが上図②のステージにポップアップで登場。
NegiccoとNEGiBANDはアルバム『ティー・フォー・スリー』から「RELISH」をパフォーマンス。
第1セクションと音の華やかさが段違いで、演出も華やか、衣裳も華やか。
先のムービーを受けて
“こんな世界が君を待ってたなんて 素敵だと思わない?”
と歌うNegicco。
この流れで岩里祐穂さんの歌詞がより深く感じられて、涙せずにはいられませんでした。
Meguさんが涙ながらに歌っていたように見えました。

感動の「RELISH」からの「マジックみたいなミュージック」。
アルバム『ティー・フォー・スリー』と同じ流れで来ました。
私もアルバムのこの流れが好きで(というか全箇所好きですが)「きたぁー!」と思いましたが、NEGiBANDの凄まじい音圧のファンキーな演奏に、Negiccoの歌もちゃんと立っていて、聴き応え十分。
もうこれだけで、NHKホールまで観に来て良かったと思いました。


MCの時間に入り、3人が自己紹介の挨拶をするまで歓声が鳴り止みません。
Megu「皆さん!こんばんネギネギ!」Negicco & 観客「こんばんネギネギ!」とお馴染みの挨拶。
ライブタイトルにかけて、3人は「NHKホール、ただいまー!」と叫び、観客は「おかえりー!」と返す。
それからこの日のNEGiBANDのメンバーを一人ずつ紹介。

担当楽器: 名前(敬称略) (ポジション)
Guitar: オオニシユウスケ(⑨)
Bass: 鹿島達也(⑥)
Drums: mabanua(⑦)
Keyboards: 真藤敬利(Standard Prototype)(⑤)
Keyboards: 小林岳五郎(⑧)
<ネギホーンズ>
Sax, Flute: 永田こーせー(EMPTY KRAFT)(⑩)
Trumpet, Flugelhorn: 真砂陽地(⑪)
Trombone: 松尾直樹(⑫)

この日は“まえっち”こと前田大輔(THE MICETEETH)さんは別のライブがあったため、代打として松尾直樹さんがトロンボーンを担当。
Negiccoは紹介時に“なおっち”と呼んでいました。


第3セクションでは、『ティー・フォー・スリー』の中でもとりわけ大人な雰囲気のナンバー3曲。
「矛盾、はじめました。」はKaedeさんが③、Nao☆さんが②、Meguさんが④に立ってパフォーマンス。
原曲もNEGiBANDの演奏ということもあり、そのままの、いやそれ以上に迫力のサウンドで。
鹿島さんのベースはうねるし、ネギホーンズはキレッキレ。
演出においても、スクリーンに流れる映像や照明の切り替わりがミュージックビデオを想起させるものになっていました。
Negiccoの表現もツアーで見たときより深くなっていて、ダンスのしなやかさ、緩急も見事で。
最後の決めまで、NEGiBANDとの息がぴったりで、めちゃくちゃ格好良かったです。

アルバムの曲順と同じく、次は「土曜の夜は」。
ピアノの導入から音を重ねて行くイントロは、原曲を踏襲しつつもオリジナルなアレンジに。
オオニシさんのギターソロ、格好良かったなぁ。
リズムを取るのが難しい曲ですが、3人はアイコンタクトを取りながら丁寧に歌っていました。
間奏のスキャットも違和感無く綺麗で良かったです。

そしてSpangle call Lilli lineの提供曲である「江南宵唄」。
13周年記念のバーベキューイベントで初披露された際(Ustream中継で見ていました)は、大坪加奈さん風の独特の歌い回しに苦労しているようでしたが、今回は淀みなく歌いこなせていました。
Kaedeさんの歌い出しから「あっ、全然違う!」と。
相当歌い込んで仕上げてきたのだなと感心しました。
mabanuaさんのタイトなドラムも格好良かったです。



<後編へ>
http://ameblo.jp/buruwo/entry-12187680904.html