私のは愛じゃないんだね。
依存か。
うすうす感じてはいたけど。
いや、とっくに気づいてて、そういう感情はもう過ぎてるんだけど。
あの背中に愛をぶつけてた。
ぺちっぺちっ。
ぶつける度に楽しそうに揺れるのが嬉しくて、いっぱいぶつけた。
そうすると、たまに振り返って恥ずかしそうにあったかくて丸いちっちゃな愛をコロンと私の手のひらに握らせてくれた。
それがまた嬉しくて嬉しくて。
なのに結婚したらどうなの。
とたんにいくら愛をぶつけても振り返ってくれなくなった。
あれ?
ぺちっぺちっ。
あれ?あれ?
ここで私の愛が寛大で本物だったら、振り返ってくれなくても大丈夫だったのかな。
私は宝石が欲しかったんじゃない。
優しく頭撫でてくれるだけで良かったんだよ。
つい言いたくなった。
ねぇ。
ねぇったら。
あの人は振り返らない。
ねぇ、ねぇってば!
やっと振り返ったあの人の顔。
うるさいって。
それから私も少しずつ変わった。
振り返って欲しいっておもうから辛いんだ。
振り返って欲しいって思わないのと同時に愛もぶつけなくなった。
今になって、オイって言ったってもう私はそこにはいないよ。
ま、私がいなくても舌打ちするだけで何も変わらないだろうけど。
今はお互いの役割を淡々とこなしている。
それでも、情という繋がりはまだ切れていない。
それくらいは信じていたい。