話題作、ボヘミアン・ラプソディを見てきた。今年開業した日比谷ミッドタウンでの初めての鑑賞だ。

久しぶりのIMAXということで、上映前の映画紹介から気分が高まり、映画が始まった瞬間フレディの歌声に一気に引き込まれる。IMAXはやはり歌声やギターはもちろん、ドラムやベースまで体全体で音を聞く感覚になれるから音楽ものや迫力のあるアクション映画の時には1000円弱の料金差以上の違いが楽しめる。

本作はフレディ役を務めたラミ・マレックのライブでの演技がかなり評価されているが、フレディの歌声だけでも十分見る(聴く)価値がある。フレディ本人の声の箇所、主演のラミ・マレックの声と声マネそっくりさんの声を合成して作ったという箇所どちらもまったく違和感なく、何度も身震いした。

ラストの「ライブ・エイド」での演奏については過去に上げたブログを見てほしい。

https://ameblo.jp/burio-mccartney/entry-12392640017.html

 

ストーリーにはだいぶ脚色が加えられているようだが、とてもうまい演出だったと思う。マイノリティーに属しているという意識から生まれる葛藤、人間誰しもが抱える孤独感、そして死を受け入れることで下す決断。すべてがかみ合っていた。

 

演奏以外で一番、心に残ったのはフレディがクイーンのメンバーに謝罪して「ライブ・エイド」への出演を打診する場面。フレディは自分の言うとおりに演奏するだけの新しいメンバーに対する失望を口にする。バンドのすばらしさや儚さがこの1つのセリフに凝縮されていると思う。

 

例えばビートルズのAnd I Love Her。ポール主体でジョンが手を加えた曲の中の1つとして知られる。だが、イントロの印象的なギターリフを加えたのはジョージだ。2人の大天才が作った曲にジョージやリンゴ、ジョージ・マーティンがアレンジを加えていき、完成させていく。お決まりの作曲パターンだ。

作曲に関わらず、どんな仕事もいろんな人のアイデアを加えないとなかなか新しい構想を練るのは難しい。同時にちょっとしたものの言い方や態度が対立に発展することも心に留めるべきだというメッセージ性を感じた。大抵の場合、意見の対立は「フレディのレコーディングへの遅刻」のようなちょっとしたことの積み重ねが原因になることが多いと思う。人間関係を構築するのに、バンドの過去を知ることはかなり有益かもしれない。

 

https://www.youtube.com/watch?v=qjjQL6eoG3Y

 

フレディの歌声を堪能した後に聞きたくなった曲No One But You。残された3人のメンバーでの最後の演奏となり、この曲を発表した後ジョン・ディーコンは音楽業界を引退する。