失われた20年などと言われる日本経済。デフレや失業率の高止まり、非正規雇用の拡大が常態化している。とくに内需の不振は深刻だ。なぜこんなことになってしまったのか?
日銀の金融緩和が足りないからだといった指摘や、日本企業の国際競争力が低下したからだとか、様々な指摘がされているが、これらは本当の答えではないと思う。
一言で言うと、これは人口格差問題である。かつて経験したことのない人口の波が日本経済を直撃しているにすぎない。
※生産年齢人口(15~64歳)の推移をみると1995年に8726万人に達しピークを迎え、2010年には8173万人まで低下した。なお、2027年には7000万人を割る見込みだ。他方で、65歳以上の高齢者は急速に増加しており、1995年には現役世代5人で1人の高齢者を支えていたが、2010年には2.8人で1人、2025年頃には2人で1人を支えることになる。
経済成長を決めるものは、単純に言うと労働人口と労働生産性だ。労働人口が減れば当然に成長率は減少する。相当な労働生産性の拡大がないと経済は成長しない。とくに、消費活動は労働人口が減少すると大きな影響を受けることは間違いない。
これは「人口オーナス」(生産年齢人口が急減→高齢者が急増)と呼ばれる現象で、景気循環の波を打ち消し、日本経済を蝕んでいる。
そして最も問題なのは、こうした大きな環境変化に社会システムが対応していない点だ。いまだに右肩上がり・高度経済成長を前提としたシステムが温存されている。とくに年金・医療は、高齢者が現役世代から富を収奪する極めて不公平なシステムとなっている。これを放置すれば、日本経済は急速に疲弊し、崩壊するだろう。