9月に入り、支柱立てを始めました。

いよいよ海苔漁期の始まりです。

8月末の大雨の影響による有明海への油の流入や流木等のゴミが心配されましたが、ゴミはともかく、油の方は確認できました。

漁期が始まる前に海の一斉清掃を行い、今ではいつもの海の状況に戻ったようです。

 

 

さて、毎年9月に入ってから行われる支柱立て。

支柱は何のために立てるのかというと、海苔を養殖するための海苔網を支えるためです。

有明海では水深が浅いため、海底に支柱を突き刺し、潮の干満の差を利用して海苔を育てます。

あの見慣れた風景です。

 

 

 

 

 

 

潮が引くとこうなります。

 

 

 

 

 

でもこの風景はもうしばらく先。

今は、海苔漁場を作るための支柱を一本一本立てています。

 

 

 

 

その日立てる分の支柱を船に載せ、潮の時間に合わせて出港します。
立てる漁場の水深によって変わりますが、立てやすい潮の時間に合わせて出港します。

深かったり、流れが速いとうまく立てることができないので、汐見表と漁場の深さを考えながらの出港時間になります。

 

 

 

 

支柱を立てるのが早朝や夕方ならともかく、日中の作業となると、本当に暑いです。
暑さだけでなく、支柱を海底に刺して立てるのは人力なので、尚更くたくたになります。
支柱を立て終えたら、翌日立てるぶんの支柱を船に載せます。

 

 

 

 

現在、およそ半分の漁場の支柱を立て終わりました。

陸上の支柱置き場の支柱の山もだいぶ減りました。

 

 

 

 

支柱は漁場の水深によって長さが違います。

短いもので8mくらい、長いものは12m以上あります。

また、漁場を支える端の支柱はマクラと呼ばれ、通常の支柱よりも太いです。

支柱の先にはアンテナと呼ばれる棒が付けられています。

全部同じ太さのままだと作業する際に重いので、力がかからなくて満潮時でも水面から常に出ている先端は細いアンテナで補われています。

上の画像が、海底に突き刺す根の部分、舌の画像が先端部分です。

 

 

 

 

通常漁期が始まると休みなく海に出るのですが、ここ数日は風が強く、支柱立てを中止した日もありました。
風が強い日は波が高く、また船が思うように動かないため、海上での作業はやりにくいです。
作業ができずに戻ってきたり、半分も支柱を立てれずに戻ってくることもあります。
海の仕事が始まると、曜日に合わせての休みではなく、天候に合わせて休むことが増えます。

台風17号接近もあり、明日まで休みの予定です。

 

 

予定では、来月上旬には全漁場の支柱を立て終えます。