治水政策の歴史的転換 | ぶらり旅S

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戦後すぐの生まれ。灌漑、水資源、農業、発展途上国への技術協力などを中心に、大学で研究、教育をしてきて、現役を退きました。研究の周辺で、これまで経験したこと、考えたことを、今考えていることも含めて書いてみたい。

 流域治水に関する私の講演(2022年6月25日)で使用した資料を公開します。

 使用したパワーポイントファイル(PDF)です。

 日本の水害をなくため、多くの議論が活発になされることを期待して。

 (satoh.masayoshi@gmail.com)

 

 

 

農業農村工学会農業農村整備政策研究部会(WEB)

令和4年度春期研究会(2022年6月25日)

 

講演者  佐藤政良(筑波大学名誉教授)

演 題  治水政策の歴史的転換

      ―流域治水の枠組みと農業農村の政策選択― 

 

目 次

はじめに

1.流域治水とは

 「流域治水」への道筋

  流域治水への転換が持つ意味

2.近年の水害の状況を河川整備から見る

 河川整備の仕組み:「河川整備基本方針」と「河川整備計画」

 鬼怒川、小貝川、那珂川の整備計画の現状と水害

 気候変動と河川整備の関係(国交省の見解)

3.基本高水流量の歴史的増大とその構造

 利根川と小貝川の基本高水の変遷

 基本高水はどのように増大したか―国河川と県河川の関係―

 中小河川整備は農地と密接な関係

 国-県の河川整備計画のギャップ

 県河川の洪水算定の方法と特徴

4.洪水低減における農地の立ち位置

 全国と鬼怒川、小貝川流域の土地利用面積割2018年

 宅地と比較した農地の特徴

 流域治水の中でどう解決するか

5.農地部門の貢献可能性

5.1 遊水地の建設

 洪水処理計画における農地(遊水地)

 小貝川・母子島の事例

5.2 農地による洪水流出抑制

 元々備わっている水田の洪水抑制機能

   小貝川県河川(中通川)豪雨時の水田地帯の流出抑制状況の観測事例について

 農地の特性を考慮した排水

 水田流出抑制の技術

 流出抑制技術の適用

5.3 緊急時の洪水受け入れ

 2015年 鬼怒川常総市水害における河川水位の変化について

 農地部門 何故犠牲的サービスをする必要があるのか

 農地の政策選択肢1:現行方式の延長

 農地の政策選択肢2:積極的な役割

最後に

 

(この資料の整理、公開に当たっては、西島信一さんの援助をいただきました。御礼を申し上げます。)