FXのメリットのお話をした際に、”レバレッジ”という単語が出てきたと
思います。

今回は、”レバレッジ”の意味についてです。

レバレッジ
・日本語に訳すと、「テコの原理」
・経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率
 を高めること、または、その高まる倍率。

何度か書いていますが、どういうものかと言うと・・・

自己資産が1万円あるとします。
その際、1ドル=100円の時に、1万円分のドルを買い、1ドル=120円の時にドルを売って円を買うと、1万2千円になります。
この場合、元金の20%の2000円が利益となります。
で、レバレッジを10倍にして、上記とまったく同じ条件の取引を行ったとします。
1万円の10倍なので、10万円分のドルを買えます。
そうすると、ドルが120円の時に円を買い戻すと、12万円になります。
この場合、元金の200%の2万円が利益になります。
もちろん、10万円の内、9万円は借り入れている事になりますから、利払いを考慮する必要があります。
仮に、9万円の5%が利払いとすると、4500円です。
先ほどの利益の2万円から4500円を引くと、15500円になります。
なので、実利益は、1万円の155%の15500円となります。

これは、1ドル=100円の時にドルを買って、1ドル=120円の時に円を買い戻すという例の為、利益も大きく出ています。
上記の例だけを見ると、「だったらレバレッジを多くして、取引をすれば、大もうけ出来るのでは?」と思うと思います。
ですが、レバレッジは、確かに利益率を大きくする事が出来る方法なのですが、それと同時に、損失率も大きくなるという事を覚えておく必要があります。

損失を被る例
まずは、レバレッジ無しの一例を上げます。
先ほどと同じ条件で、取引をしましたが、1ドル=100円の際にドルを買ったのですが、その後、急激に円高が進み、1ドル=80円になってしまいました。
この時点で、ドルを売って円を買いますと、1万円が8000円になってしまいます。
つまり、元金の20%の2000円の損失を被ります。
で、同じ条件で、レバレッジ10倍の取引を行ったとします。
1ドル=100円の際にドルを買い、その後、急激に円高が進み、1ドル=80円になってしまいます。
上記の条件は同じですが、レバレッジを10倍にしていますので、10万円分のドルを買っています。
なので、ドルを売って円を買いますと、10万円が8万円になってしまいます。
元金1万円に対して200%の損失です。
更に、利払いも考慮しなくてはなりません。
先ほどと同じ条件なので、4500円が利払いになります。
つまり、2万円の損失+4500円の利払いも支払う事になる為、24500円の損失となります。
この場合、元金1万円に対して245%の損失を被ってしまいました。

このように、レバレッジとは、利益も多くもたらしますが、同時に損益も多大に被る可能性もある、という事を覚えておいてください。

一般的には、取引に慣れるまではレバレッジは2~3倍程度にしておくのが良いとされています。

皆さんも、レバレッジの長所、短所を踏まえたうえで上手に活用するようにしましょう。

 

スワップポイントについて長々と書いてきましたが、今回でようやく終わりです。
なかなかうまくまとめられないので、長くなってしまいました。

最後は、スワップポイントのレバレッジをかけた運用です。

レバレッジについては、既にお話しましたが、これをスワップ運用時においても使用した場合、元の資金が10万円しかなくても、レバレッジを10倍にすれば100万円分の取引が出来ます。

と、言うことは、たとえば1日のスワップポイントが仮に100円とした場合、10倍の1000円がつく事になりますよね?
なので、レバレッジをかけて運用した方が利益が大きくなる事は間違いありません。

でも、当然の話ですが、損失を被る場合は、その額も大きくなります。
為替の変動による損失、金利差の逆転による損失、いずれも10倍の損失を被ってしまいます。

なので、スワップポイントでの利益を得る運用を行う際は、基本的に長期的な運用となりますので、レバレッジも2倍から5倍程度にしておくのが良いと思います。

以上がスワップポイントについてになります。


スワップポイントは金利差により、利益を得る方法だと、くどい程お話したと思います。

ですが、この利益は、為替の変動により大きく変わってきます。

またまた例を上げます。
前回の1万通貨が100万円で購入出来る「外貨A」を例に出します。
スワップポイントも同じ1日あたり200円とします。
で、この「外貨A」を1年保有した場合、為替の変動を考慮しなければ73000円の利子がつくことは前回と同じです。

ここからが今回の主旨なのですが、この「通貨A」を保有して丁度一年後に為替が変動して、1万通貨が120万になりました。
この場合、この時点でこの「通貨A」を売って、円を買い戻すと、スワップポイントの73000円に加えて、為替の変動によって生じた20万円の差額をも受け取る事が出来ます。
合計で273000円の利益ですよね。
逆に1万通貨が80万になってしまった場合、20万円を支払わなくてはならないので、スワップポイントで得た73000円を
差し引いても127000円を支払わなくてはいけなくなってしまいました。
127000の損失です。

ですので、スワップポイントで利益を得る場合でも、為替の変動による損益は常に付き纏う、という事も念頭において運用を行わなければいけません。

スワップポイントは、長期的な運用法ですので、為替の変動には十分に配慮して、損失を出さないようにしていきましょう。

次回で、スワップポイントの説明は最後です。
もう少しお付き合い下さい。