ギリゼのブログ

ギリゼのブログ

主に映画やゲーム、食事に関する内容です。もしそれでも宜しければご愛読宜しくお願いします。

 

 『龍が如く6命の詩』の最後、シリーズの主人公である桐生一馬は日本最大のフィクサーと取引し、表面上、死亡した。ジャッジメントカズ君、メスキングおじさん、誓殺おじさんの愛称で親しまれている彼は、隠居してしまう。

 

 そのはずだったが、『龍が如く7 以下略』の中盤、近江連合本部内で唐突に現れ、登場人物とゲームファン双方を大いに驚かせる。そして、彼が大道寺の支配下にあった事は本編内で少し触れられ、また彼の活躍を見られる事をファンに期待させた。

 

 『龍が如く7 以下略』発売後、新しいゲームシステムが不評だった場合、従来のアクションゲームとして作り直す事を制作陣は示唆している。その4年後、『名を消した男 龍が如く7外伝』が無事、発売された。

 

 あらすじは、大道寺一派なる裏組織に所属し、様々な業務をこなすエージェント浄龍(桐生一馬)が、管理者の花輪から金塊密輸現場の護衛を命じられる。簡単と説明された仕事は彼の運命を大きく変え、やがて極道の終焉に立ち会う。

 

 ゲームのファーストトレーラーが公開され、確認した際に7の桐生一馬再登場場面を思い出す。春日一番達や伝説の極道達の横で、桐生一馬(渡瀬の日雇い用心棒)は、ワイヤーを使って近江連合構成員達を引き寄せたり、投げ飛ばしていたと誰が想像出来ただろうか。

 

 本作も歴代シリーズに負けず劣らずの声優陣で、小沢仁志のYouTubeで度々話題を出されるヤマ(山口祥行)と本宮泰風が参加していた。傑作と名高い『龍が如く0 誓いの場所』を彷彿とさせる人選だ。

 

 組織を束ねる立場だった事もある浄龍は従来通り、寝床の寺で同僚や上司達と揉めていた。上司達に至っては、イギリス制作のスパイ映画で登場しそうな武器を使い出す。後の展開で、専用護身道具が1人の武器商人によって供給されていると明かされた。

 

 浄龍のバトルスタイルの1つ、大道寺流護身術も彼が教本を作成しており、本作の師匠同然の人物だ。様々な格闘技や古武術の下地がある浄龍に、新たな姿を付与した事は戦いの多様性を与えてくれた。

 

 本編の大半を過ごす蒼天掘で赤目と呼ばれている女に出会い、能力強化に必要な赤目ポイントを依頼で稼ぐ。海藤と東が本作へ登場すると予想しておらず、遭遇時に思わず声を出して驚いた。解決後、闘技場の仲間へ加わり、主要の駒となっている。

 

 

 3つのカラーギャングや黄金色の武者と戦い、蒼天堀の治安向上に貢献した浄龍は、人々から英雄と語り継がれるだろう。蒼天堀が舞台とあって、やたら郷田龍二の再登場を期待させるような場面に遭遇した。しかし、本物はいない。

 

 偽物の中で1番本人に近い容姿は、ものまね芸人の闘技場選手だった。バトルモーションは本物と同じだが、やはり声ですぐ偽物で無いと分かる。郷龍会の差し金だった残りの偽物達が依頼の1つで討伐され、蒼天堀から彼の影が消えてしまう。

 

 

 

 2019年の設定にも拘らず、〇hatGPTらしきアプリを作品へ登場させていた。生成AIに恋愛相談する若者は果たして嘲笑の対象として、制作陣は想定していたのか少し疑問を感じてしまう。彼を多様性の1つとして、解釈する事も出来た。

 

 蒼天堀と同じく主な活動拠点である世界最大級コンテナ船に搭載されていた歓楽街、通称キャッスルは本編、金策両方で必要不可欠だ。伝説の極道達や海藤や東が闘技場のファイターラウンジで常駐している。果たして彼らは元の生活へ戻れるのだろうか。

 

 名称の由来にもなっているそびえ立つ最奥の大阪城が、赤目の過去と深い関係があった事も知り、世間の狭さを改めて実感する。2の千石は別の大阪城を保有していたが、あの後、どうなっているのか少し疑問を抱いてしまう。

 

 三代目西谷誉が歓楽街全体を支配していた。0で会長亡き後も活動して、更に会長名を世襲制にしているようだ。渡瀬組の構成員、獅子堂から関西極道の鑑と称される三代目は、ジングォン派出身のようだ。初代同様、ドスを使った華麗なバトルスタイルを披露してくれる。

 

 

 

 物語中盤、キャッスルは浄龍達に占拠されてしまうが、三代目へ送ったメールの添付画像はとにかく浄龍の表情が意地汚い。まるで所持金しか長所の無い女を囲う中年みたいだ。

 

 

 シリーズ恒例の闘技場が本作も金策として機能しており、集団戦で全てのファイターをLv20にしていれば、プラチナランクの試合は簡単に攻略出来てしまい、浄龍の能力が全て強化出来た。本作は能力強化に現金と赤目ポイントが必要だ。

 

 浄龍の他に、ファイター達を操作キャラクターとして採用しているおかげで、従来と違った楽しみ方も堪能出来る。キャッスル闘技場四天王の存在、シリーズラスボス戦の再現試合は、闘技場に熱中させてくれた。

 

 諸事情で浄龍と同じガジェットを使う四天王との闘いは、武器商人の過去を知っている為、最終章に相当した濃密な内容だ。特に決戦後のカタルシスが凄まじい。他の四天王はガジェットに使われているだけの凡夫と、レーザー攻撃が面倒なスクラップだった。

 

 シリーズの裏ボス亜門戦は2回あり、1戦目がアンドロイドの亜門集団、2戦目が亜門涯を相手にしなければならない。アンドロイドの亜門集団は手応えがあまり感じられず、最強の編成で易々と勝利した。しかし、亜門涯は予想通りガジェットを使い、更にドローンが涯を自動回復させる。

 

 

 

 

 

 ドローンを壊さなければ延々と自動回復し、敗北してしまう。そして、2回目以降に同じヒートアクションのダメージを大幅に下げる仕様も盛り込まれていた。全ての能力強化している浄龍に成長し、ようやく同じ土俵へ立てる程、手強い。

 

 裏ボスを倒した後、挑んだ最終章の連戦はとにかく極道の終焉に相応しい強敵揃いだった。獅子堂の裏切りと三代目の生存がユーザー達を絶望させるだろう。しかし、戦闘開始後、渡瀬組構成員や中ボス2人は浄龍のガジェットが強力なあまり、惨めに散る。

 

 

 案の定、近江連合本部内の戦闘は、異人町一行がRPGバトルしていた横で、浄龍はワイヤーとドローン、タバコ型爆弾など使う。最早、真島吾郎を凌駕する狂人だ。数名程、彼のワイヤーによって、胴体が切断されていそうだ。

 

 

 個人的な印象として、歴代最強のラスボスが獅子堂で無いかと思う程、荒々しいラスボス戦を用意されている。0の久瀬大作のような反骨精神の強い相手は、とても喜ばしい。

 

 

 ノコギリと焼き鏝を振り回す渡瀬組若頭、鶴野との再戦は本編中最も恐怖したが、ラスボス戦は終わりが惜しくなるような名勝負だ。5のラスボス戦を彷彿とさせる場面転換、燃えるような赤く、美しい斜陽は、極道の終焉に相応しい。決着時に背景音楽の曲調が変わると、少し『散るは刹那』に寄っていた。

 

 父親に身売りされ、地下闘技場の選手として勝ち抜き、強運と実力で成り上がっていた獅子堂は、極道以外の生き方は残されていない。そんな彼と三代目の末路が、浄龍の同業者へ強制加入だ。浄龍会へ加入する場合、少し試合してファイターラウンジで楽しく過ごせていた。

 

 

 600億円の利権取得、敵対勢力の排除など、組織に多大な貢献をもたらしている浄龍は、上層部から褒美をもらう。その中身に号泣する浄龍(桐生一馬)からもらい泣きしてしまった。後からスクリーンショットを確認して、ハルト直筆の『おじちん』で笑ってしまう。

 

 

 

 次作がRPGバトルシステムをまた採用する為、少し7外伝の余韻に浸っていたい。今作の浄龍は恐らくエージェントスタイル込みの戦闘力が全盛期に匹敵するだろう。後半、バトルがとても楽しくなる。

 

 不運な事に、最後までほぼガジェット『蛇』は使っていない。もし、バトル以外の移動に利用出来ていたら、かなり便利なガジェットだ。その一方、いつもの調子で通行人とぶつかると傷害事件へ発展してしまう。

 

 エージェントとして活躍する三代目と獅子堂の姿をいつか見たい。その期待を持って、これから龍が如くシリーズをプレイする。