久しぶりに近くの高校の定期演奏会があったので出かけてみた。

 

3月30日 鯖江市文化センター

武生高校吹奏楽部第54回定期演奏会

 

前に来たのは10年以上昔、一応OBの端くれ。このホールは収容人員1017名だがざっと半分以下の埋まり方、京都橘と違って観客の年齢が若い、部員の家族や友人達か、そして圧倒的に女性が多い。

プログラムでビックリ、白黒だけれど37ページもある。中は恒例の挨拶文、演奏曲目、1年の歩み、パート紹介で14ページ、残りは広告だった。よく集めたものだ、まあ入場者が400人程度なので広告の意味合いは無く限りなく「寄付」に近い。これも地域に根差した活動か。

部員数は1,2年生の29人で驚いたことにこの2年生達はこれが最後、3年は勉強一筋。という事は常に1,2年生だけのチームだという事。

 

第一部クラシックステージ

吹奏楽コンクールの県大会で銀賞だそうだ。それなりの演奏、音も出ていた。

 

第二部ゲストステージ

福田裕司という京都のトランペット奏者をゲストにトランペット協奏曲、初めて聞く曲だが流石にトランペットの音が素晴らしい、サックスのソロをトランペットに変えた「青春の輝き」も聞きほれてしまった。

この後「Paradide Has No Border」どうしても楽器フェアを思い出してしまう、あれは何回見ても飽きないね

 

第三部 ポップスステージ

 

ハリーポッターの寸劇を入れながらハリウッド映画メドレー、どれも橘で聞いていたもの。「銀河鉄道999」

部長挨拶、1年間の映像を映しながら用意してきた手紙を読み上げる、最後にしんみりしたところで

”部長ーー”

と声をかけながら横手から走り込んできた部員。本当はここで”明るく終わろうよ”と言うはずだったのが・・声が出ない・・なんと涙声に変わり自身が泣いてしまうというハプニグ・・・・・

それだけ想いが強かったのだろう、ここにも青春があった。

 

アンコールは植田氏編曲による「uptown funk」ここも染まってきたか、というのは先日京都駅での鯖江高校の動画を見てここにも武生商工譲りのfunk musicを感じていたのだ。合同演奏会などを通して、1高校から地域へとfunkウィルスが広がっているようだ。

 

思いがけず3人の懐かしい顔を見つけ暫しの旧交を温めた。

 

3月31日越前市市民文化センター 収容人数1062名

武生商工高校吹奏楽部 第21回定期演奏会

 

二日公演の最終日という事で駐車場の心配もあり開演40分前に到着したが危うく締め出されるところだった。当日券1000円を購入、ロビーに入ると黒づくめのOGと思しき人たちがあちこちに立っている。武商 グッズやCD更に不可欠のタオル等の販売コーナーを抜けて客席に。後ろには多数の撮影機材が並んでいる、そのうちに動画でアップされるかも。観客は9割位は埋まっていて昨日に比べると少し平均年齢が上がっている。

 

プログラムは60ページで15ページ意向が全て広告、まあ地域性みたいなものか。

最初に教頭先生の挨拶があった。来年からは新校舎になり音楽室も充実されるそうだ。

 

第一部 シンフォニックステージ

部としては新体制になっているので1,2年生に新1年生13名が加わり、卒業後も地元に残ると思われる3年生が入っている。

コンクール課題曲3曲のマーチと小長谷宗一氏の作品「紫式部幻想」を作曲家自身の指揮で演奏。1000年前の雅の世界をファンキーガールズが演奏していると思うと何だか面白い。

因みに越前市は紫式部が一時期滞在していたという事で今年の大河「光る君へ」に合わせて盛り上げたい思いがある。

演奏はそれなりのものがあるがもう少し出来るのでは?とも感じた。司会の挨拶で1週間前の浜松での全日本選抜吹奏楽大会で多数の部員がインフルエンザに罹って迷惑をかけた趣旨があったのでその影響かもしれない。

 

第二部 OBバンドステージ

卒業する3年生に少しその上が加わっていて20名程度での演奏。指揮は小長谷宗一氏で長年関係があるようだ。

 

第三部 ゲスト&ファンキー・ステージ

おなじみのカラフルなTシャツ着用だが正直好きではない。統一性とか規律とかを好む性格上、この色のカオス状態が受け入れられない。

「In The Stone」を演奏後ゲストの佐野聡氏が登場、「田園」をトロンボーンで。次いで恒例となっているらしいゲストとの共演で「This Masquarade」を植田顧問が熱唱・・・

佐野氏とのトークや楽器紹介はそれなりに面白かったが

「これって定期演奏会?」

最後に「ブギーワンダーランド」で終了、あまりファンキー無かったな。

 

アンコールの呼び声の中で1,2年生が中央に整列 「お世話になった先輩にお別れの歌を歌います」 合唱が始まった、舞台の両袖には3年生12人位が並んでいる。その後 1,2年生の演奏が始まり 恐らく新部長であろうが卒業生の名前を次々に呼びあげる 「〇〇先輩 先輩は〇〇で・・京都へ行っても・・・ 大好きです」 中央の植田顧問から花束を受け取る。これがこの高校の慣例みたいだ。

 

最後に前部長の挨拶があって最後に「もう少し聞いてください」 アンコールだと思っていたらここからがファンキー・ステージだった。 5曲位だったろうか、おなじみの曲が次々と繰り出され植田顧問の名調子で客席もタオルを回したり両手を動かしたり、最後は総立ちで踊っていた。そういう事には全く興味が無い私も立ち上がっていた。(すっかり乗せられてしまった感じ)

最後は客席も舞台も全員がが手を掲げて終了、湧き上がる声援、口笛やら歓声やらで凄いことになった。初めての経験。

 

 以前に見た動画で「立ち上がって踊りましょう」と呼びかける声が最後には 「お願いですから立ってくださーい」 の悲鳴に変わった時と比較すれば信じられない変化だ。

 

漸くここまで来たか日本一のファンキーバンド!!

 これが彼らの目標地点なのかもしれない。

 

しかし去年金沢で京都橘を聴いた時の感動には及ばない。柔らかく包み込んでくれるあの優しい時空間を忘れることは出来ない。どちらが好きかは言うまでもない、オレンジの衣装を見るだけで釘付けになるのだから。

 

この2週間、定期演奏会三昧だったが改めて地方の悲哀みたいなことを感じる。

地方の生徒は卒業と同時に他府県に移っていくのでこの時期の演奏会は難しい。現に自衛隊に入った生徒は参加できなかった。

その点京都橘は関西圏にあり大半の生徒は家を出るという事がないのだろう。だから98名全員で三日間の公演が出来る。

まあそれは仕方のない事だけれど、それぞれに全力を出し切ったという事で新しいステージでの活躍を祈ろう。