学校で行われている所謂「部活」は生徒の心身の成長の為に、文部省の下で夫々の連盟やら協会を作って大会の頂点を目指すピラミッド形式が普通だと思っていた。

 

夫々定められたルールに従って上を目指していく、その過程で色々な壁に当たりながらも少しずつ乗り越えていくことで人間としても成長していく。これは教科書からは学びえない大切なことである。

 

吹奏楽の世界もそうだと思っていた。吹奏楽連盟のコンクールやマーチングコンテスト、京都橘はその中で少し「異端」な存在。ところが色んな方の記事を読むうちにそんな単純な世界ではないことが少しづつ分かってきた。

 

西原高校はM協に所属していて世界的なコンテストに出場して優秀な成績を上げている。演奏やマーチング自体も素晴らしいが何よりもカラーガードが優れている。京都橘のカラーガードが好きなのだけれど,この動画を見た時は韓国のアイドルグループを初めて見た時の驚きと同じだった。日本のグループと比べるとその完成度から大人と子供とさえ思われた。西原高校のカラーガードの柔らかな体の動きはまるでダンス部のようだ。

京都橘も同じようなダンスを試みているが体の動きが硬い、これはオービルズの最近の動画を見ても同じ印象を受ける。どうも使う筋肉の場所が違うのかもしれない。橘はチアダンス、西原はダンス部、ダンスのことは全く分からないがそんな気がしてならない。

 

沖縄県、面積は下から4番目に小さい、人口146万人と意外に多いが本土から離れたこの島にマーチングをやりに来るもの好きはいないだろう。こんな島からここまでのバンドが出来るなんて不思議じゃないか。

しかし考えてみると昔から唄や踊りの伝統が根付いているようだし、米軍の占領下が長かったこともあるかもしれない。多くのミュージシャンやダンサーを輩出していることから風土としてあるのかもしれない。

 

逆に北海道へ行くとダンプレというスタイルが流行していてここは吹奏楽連盟のコンクールからは完全に離れている。

 

吹奏楽の大会として他に「全日本高等学校吹奏楽大会in横浜」と「全日本高等学校選抜吹奏楽大会」が3大大会としてがあるようだが連盟との関係や選考基準などは分からない。歴代の出場校も吹奏楽コンクールとは少し異なっていて有名どころもあるが全く知らない所もある。色んな所で同じ楽器を使いながら夫々の道を行っているみたいだ。

 

連盟と全く関係なく運営しているようなのがSJ&Pでその趣旨は

 

真島俊夫氏の総監督により、吹奏楽の新たな可能性を求め、吹奏楽によるシンフォニックジャズ&シンフォニックポップスコンテスト全国大会が発足しました。従来の歌って踊るステージでは、演奏の質が軽視されている様に思われます。過度の演出に頼る事のない、本格的なシンフォニックジャズ&シンフォニックポップスの演奏を追及し、グルーヴ(スウィング)感やアドリブを重視した演奏を推進したいと考えております

 

歌って踊るのを「なんちゃってポップス」と言って、まるで「アンチ橘」宣言みたいでもある。

 

今年の大会ではなんと中学校が総合グランプリに輝いた。奈良県生駒市、人口は12万人弱の市立生駒中学校。

加えてベストソリスト賞も半数を押さえた。この大会は課題曲もあるようだ。

 

我が県は人口75万人の何もない小さな県だが三国高等学校が去年に引き続きグランプリを得たようでこれもうれしい。

それにしてもこの中学生達、近大付属のOBが作っているKSP all starsを押さえての総合グランプリなのだから凄いの一言に尽きる。此処からなら橘も近い、入ってくれ、と思うけれどきっと近大付属へ行くんだろうな。

 

その近大付属、今年は招待演奏だったが流石の一言

 

KSP all starsのグランプリ演奏を見たが流石のもので演奏としては多分最高、中学校が総合グランプリを取ったというのは演奏以外の何かが入っている気がする。
 

北は北海道から南は沖縄まで様々な全国各地で色んな花が咲いている。吹奏楽の世界はまさに百花繚乱の時代になっている。

 

しかしダンプレのHITも西原高校もパレードの様子はグダグタだった。恐らく歩きながら吹くだけでパレードの練習はやっていないに違いない。

 

走攻守ではないが座奏、マーチング、パレードの3拍子を揃えているのは橘だけだ。

特にパレードでは他の追随を許さない。

 

京都橘という笑顔の大輪の花を目指して世界中から多くのファンという虫たちが集まってきている。

引き付けられるのだから仕方がないではないか。