新年度からの橘を追いかけるのは初めてだった。だから新入生がどのように育っていくのか、又新曲がどのようにして加わり新しいプログラムに変わっていくのかと言う点に興味があった。

 

ブルーメの丘のパレードでは衝撃の2分割方式が披露された?しかし例年ならば後ろに続くはずの40人以上の1年生の列は少なく、早くもパレードに参加している部員もいるようで大いに期待された。その後も座奏での演奏は充実していて今年は吹奏楽コンクールの予選突破も・・・と楽観的に見ていた。

 

しかし最近出されたサンクロレラの記事によれば意外にも、春から「チーム作りに苦労していた」という予想外の発言が顧問からも部長からもあり、夏休みが明けて漸く纏まってきたという事で驚いた。

 

金沢での「生橘」に酔いしれていた私はまったく気づかなかった。強いて言えばドリルステージで多くの1年生が演奏に参加せずにサイドで手を叩いていたこと位だったが、「未だ早いのだろう」と思っていた。

所がマーコンでは全国進出を決めたがドリルステージは変わらない、そして期待していた別府のパレードで大きく裏切られた・・・・・

どうなっているのだろう?

 

そんな不安を一新してくれたのが11月11日のタナフェス「ハッピーコンサート」だった。座奏ではあったが色々な新しい試みが感じられて「変わったなあ」との印象を受けた。このことについては「その68」の最後に触れた。観客にとって楽しいステージになった。

 

マーチングステージも同様である。2年前の「心の絆コンサート」

2曲ごとに司会が入り、曲の説明を行っている。その都度観客としては現実に戻されてしまい、全体として統一した流れが無い。極端に言えば部員たちのやりたい曲を聞かされていると言ってもよいかもしれない。

 

あれから2年、今年のコンサートは見違えるようになった。

 

恒例のウィンゲーの後のMCの簡潔な一声により一気に橘ポップスの世界に引きずり込まれる。この間休みは無く最後まで一気に進み、SING×3で終わりかと思ったらまさかのアンコール「きよしこの夜」の歌で退場。「サウンドオブミュージック」を彷彿させるシーンで秀逸、さすがとしか言いようがない。素晴らしいステージショーを見た思いだった。

 

実はこの前日は豊岡でも公演を行っているが演目は微妙に異なっているしアンコールも「SING」だった。台湾遠征でもそうだったが、同じプログラムと言うのが無い。

 

お客様第一

 

これが基本になったのではないか?

「私たちの笑顔がお客様を笑顔にする」と言う部員目線から「お客様を笑顔にするにはどうするべきか」というお客様目線に変えたのではないか?

 

さらに深読みすると年度初めの混乱の原因はこの辺か?と推測したくなる。

 

心の絆コンサートもそうだが、今年は曲によって新曲でさえも構成メンバーが入れ替わっている。高校生の部活なのだから全員参加が基本ではないか、という思いがどうしても拭えなかった。しかし「お客様第一」の観点から見ると一番良いものを聴いていただくためには当然の帰結だと思えてきた。

全員参加に拘れば「出来の悪い」部員の苦労は並大抵ではない。教える3年生は鬼になるしかない、1年生は必死に耐えて涙を流してもついていく。その姿を見た私たち昭和世代が感動する。多分それが良くも悪くもオールド橘ではなかったか。

 

少し考えれば体育会系の部活ではそれは当たり前の世界、野球は9人、ベンチ入りでも15人位だろう。それを支える何十人の部員がいる。全員で〇〇高校野球部。

 

前顧問は「橘は水みたいなもの」と表現していた。パレードの構成は3列を基本に考えているが通りの幅によっては4列にも2列にもなるし、ステージでもその広さに合わせて変えられるので「水」である。

今は入れる容器を色んな大きさ、形のものを考えてそこに必要な「水」を入れることで多彩なプログラムを選べるようになったということか。

 

ウィンゲーとシングは全員、その他は選抜で、を基本に最高のパフォーマンスを目指すこと。それこそが新しいチーム橘の目指す方向である。

顧問が変わった時に「音楽重視」即ち「マーチング軽視」と捉えて反対論を展開した人たちもいたようだがとんでもない 間違いだったようだ。

 

「普通の部活」からエンターテインメントの世界へ一歩踏み切ったか?

 

今年の定期演奏会はまたまた驚きだ。3日間の公演で内容が違うというのだ。

 

「コンサートステージ、マーチングステージ2部構成で、3日間とも内容を変えて飽きさせないステージをお送りします。どの日もBlue、White、Orangeの衣装は着用しますよ!」

 

初日は中学生との合同ステージもあるようなのだが、この中学生というのは特定の中学校ではなく、ひょっとしたら入部希望の新1年生ではないだろうか?ローズもあるし早いほうが良い。大阪桐蔭は春の選抜で入学前の新1年生が吹いていたそうだからあり得ない話ではない。

 

二日目のWhiteの衣装はあれの出番だな(大切にとっていたんだ)

三日目のOB合同ステージは当然ローズ意識してるな

 

と思うが、私の予想は当たった試しがない。

 

橘ショータイムは目の前

 

ようこそ 橘の世界へ (去年の司会者の言葉「ようこそ 竜の世界へ」を借用)

 

here   we     go ーーー !!!!

 

蛇足だけれど、定期演奏会ポスターのマーチングステージの演奏曲目に「Think」と書いてあるみたいだけれどミスプリ?じゃあないよね。

シング?

ザ シング?

Think 調べても「考える、想像する」とだけでそのような曲はみあたらない

 

ずっと考えているのだけれど・・・・・・