何歳で何をするか | ALS記

ALS記

2023年2月13日に診断されて、現在進行中。とりあえず仕事は続けています。進行がとても遅い症例のようで、その状況を記録して発信していこうと考えています。

 これまで気づかなかったけれど、ALSになって周囲に話しだしたら「変だ」と指摘され始めたのが年代観というか、生まれてから死ぬまでのタイムスケジュール。

 

 人生には年代ごとに目的があるという考え方をずっとしていた。

  • 二十代:何ができるかの可能性を探索する
  • 三十代:有望な仕事(内容・地位)を得て活用する
  • 四十代:重要な仕事を進めて後進に渡せるように調整する
  • 五十代:余命を全うする

「初老」を迎える四十歳が基準になって、五十歳で死ぬという前提の考え方。だから、それぞれ二十歳・三十歳・四十歳になる直前の二〜三年はバタバタと情緒不安定だったりもした。まあ十九とか二十歳は思春期的なものかなあとも思うけど、三十歳でもプレッシャーが厳しくて、そこを抜けたら無性に気が楽になったから、やはり年代観ベースのものだろう。

 

 直近だと五十歳で、それまでに頑張って公私ともに区切りをつけたんだけど「あれ、まだ死なない。何で?」と思っていたらコロナ禍が始まっていた。で、ALS診断も出てちょっと状況に追いついていけていない。

 

 ちなみに、私が道楽で調べている歴史上の人物だと、自然死した人も大体五十代くらいで亡くなっている。

 

今川氏親:53歳

北条氏綱:54歳

北条氏康:56歳

足利義氏:42歳

武田晴信:52歳

上杉輝虎:48歳

 

 そういえば、二十代後半を過ごした編集部でよく言われていたのが「編集者は無理をするから五十で死ぬ」という噂。既往歴でも書いたが、編集者時代は結石・痔・痛風と不摂生病が続いていたから、この噂は信憑性があると思っていた。

 

 なので、進行の遅いALSなのでもしかしたら還暦まで生きているかもという状況に困惑している。