歳をとるってことは、服装でも何を着ても似合わんようになる。

 ついこの間まで着ていたスーツまでが借り物のようになる。


 何でやろ?基本的には体全体から緊張感が抜けてしまったからのちゃうやろか。

 先ず、あのネクタイ、40年以上も結んでいて暗闇でも結べたものがさっぱり結べえへん。

 結べてもしまらないんやなあ。これが・・・。


 現役の頃、今のわしぐらいの年齢のオッサンが、首の所に明らかに鼈甲の模造と分かるような飾りのついた紐のネクタイ(名前がわからない)をぶら下げているのを見て、「あれだけは止めとこ」と思ったが、今になってその気持ちが分かるような気がする。


 昨日、娘達が来て半ば強制的にスーパーに連れて行きおって、みぐるみ剥いでその場で着替えさせよった。

 聞いてみると「やめてよ、その服着るの」ということで、年中同じ服を着ているのが許せないということらしい。


 そういわれると、四季を通じて同じパターンの繰り返しで、このシーズン「愛用」しているセーター」は10年程前にカミさんに買って貰ったものである。


 別にもったいないわけでも、他にないわけでも無いんやけど、ついつい着なれているこの服にてがいく。

 歳をとると変なもので、毎日の生活のパターンが代わる事には妙に抵抗がある。


 それがそもそも歳をとったということかも知れへんが、それにしても、我ながら何を着ても似合わんなあ・・・!