この春、長女が就職して家を出た。
憧れの東京での就職、一人暮らしを始めた。
ムスメの巣立ちをうれしく思う反面、いやそれ以上に、私は寂しいのだ。
想像以上に寂しい。父と母を喪ったとき以来の喪失感に打ちのめされた。私の、親としての、いやもはや一人の人間としての役割は終わってしまったんじゃないかと思ったりした。
ああ、これが「空の巣症候群」というやつなのか。
ネットで同じような経験をした人のことを検索してみた。
時間が解決してくれる、子供が自立するのは喜ばしいこと、親も何か新しい目標を持ったり、好きなこと、やりたいことを始めてみては、などと書かれている。まあ、そうだろう、と思いつつも、何をする気にもなれない。寂しいくせに、友達や人と会う気にもなれない。
ただただ辛い毎日を過ごしていた。
ムスメはムスメで、初めて家を出て東京で一人暮らし。あっという間にホームシックにかかり、1ヶ月も立たないうちに帰省した。土日のプチ帰省だったが、1ヶ月ぶりにムスメの顔を見て、少し気持ちが落ち着いた。なんというポンコツ母。
こんなとき、思い出すのは父の言葉だった。
辛いときは、ムリに何か新しいことを始めようとしないで、毎日をきちんと生きること。規則正しい生活をし、やるべきことだけしっかりやって、あとは十分休むこと。そうしていると、自然に気力が戻ってくるから、新しいことを始めるならそれからで良いのだと。
そこで、私なりにやってみた。
やるべきこと(平日は仕事と家事)だけはまず最低限やって、土日はゆっくり休んで、やる気が起きなければゴロゴロした。飲み会は全部欠席、友達とのランチ☀️🍴も延期して、元気が出るまで自分をそっとしておいた。
そんな中でも、次女はちょっとしたハンデを抱えていて、次女とはしっかり向き合うようにした。
すると最近、ようやく長女のいない生活も受け止められるようになりつつある(さっさと受け止めろっつーの)。
GWには帰ってきたし、会えないわけじゃないしね。私も東京に遊びに行こう。
そして、父の言う通り、最近ちょっとだけ、気力も戻ってきた。年明けから忙しくて半年ほど休んでいたピアノのレッスンを再開したり、友達と会ったり。映画も見に行った。
でもやっぱり、小さなお子さんや小学生くらいの家族連れを見かけると、今でも「ああ、あの頃が一番幸せだったかも…」なんて、うらやましい気持ちになったりもするのだ。
もう少ししたら、北海道にもさわやかな初夏がやってくる。
ゆっくりゆっくり、歩いていこう。
私の人生はまだまだ続く(心臓もリニューアルしたし!)。母としての役割だって、きっと一生続くのだろう。だって、幾つになったって、ムスメはムスメだもん。その時その時、支えたり励ましたりしながら見守っていくのだろう。
夫とも、これからの厳しい時代の老後を助け合って朗らかに過ごして行きたいな。そのためにはとにかく健康でいなくちゃ。
でも、やっぱり何事もムリしない 。
ゆっくりゆっくり、進んでいこう。