先日、久しぶりにCDを買った。

 松田聖子さんの「SEIKO  JAZZ 3」。

 クラシック以外のCDを買ったのは、何年ぶりだろう。嵐の活動休止前最後のアルバム以来だな。

 

 ちょっぴり期待に胸を膨らませて、プレイヤーにディスクをセットした。

 静かに流れてきた聖子ちゃんの歌声は、空の巣症候群で落ち込んでいた私の心に、優しく、そっと染み込んできた。


 私は驚いた。クラシック音楽の演奏ではなく、誰かの歌声でこんなに心が癒されたことは、これまでになかった。

 凹んでいるときに聴いたから、という理由だけではないように思う。聖子ちゃんのやわらかな、そして丁寧に歌い上げられた歌声に、心がふっと温かくなったのを感じたのだ。


 そして、同時に聖子ちゃんのことを考えた。

 この春、中央大学の法学部の通信制を4年で卒業したと、ネットニュースに載っていた。

 聖子ちゃんといえば、私世代の絶対的アイドルだったけど、プライベートでも波乱万丈で、悲しい出来事もいくつかあったと認識している。

 

 でも、それでも大学で勉強して、学位をとって、こうして歌を歌い続けている。そして、その歌声が誰かの心を癒している。

 すごい人だなあ✨。聖子ちゃんの歌手としてのプライド、人としての強さ、そして優しさ、おおらかさとほんの少しの弱さが、この優しく温かい歌声から伝わってきた。


 私も、なかなかハードな人生を生きているけれど、いつも強さと優しさを持って生きていたい。

 でも、やっぱりときどきへこんじゃうのだ。だって、普通の人間なんだもん。


 だから、今日も聖子ちゃんの歌を聴こう。

 心がしっとり落ち着いていく。

 久しぶりに良い音楽に出会えたな。