心臓手術から2年。
私は今、かねてから抱いていた小さな野望を実現すべく、日々わくわくしながらそれに取り組んでいる✨。
退職してから約半年の間は、家のことや子供たちに関する用事と、母の病院通いで毎日があっという間に過ぎていった。
母の病院へは週に数回、父を乗せて二人で行っていたのだが(父は私が行けない日も、一人でも毎日欠かさず母に会いに行っていた)、退職から半年後の年明け、父が突然他界してしまった。
優しい、最愛の父だった。
同時に、父と過ごしたこの半年間は、私にとってかけがえのない宝物のような思い出となった。
父を失ってしばらくの間は、地に足がつかないポンコツ状態だったが、娘たちの受験、合格!、卒業、入学と、一方でなかなかにドラマチックな春を迎えながら、家族みんなでひとつひとつを丁寧に過ごして行くうちに、私も少しずつ立ち直っていったような気がする。
そして、気がついたらもうすぐ退職から1年が経とうという頃、世界中では新型コロナが猛威を奮っていて、世の中は政府の緊急事態宣言下でステイホーム、自粛生活真っ只中という状況になっていた。
退職を決意する前、例の白い手帳には、「仕事を辞めたら一年以内にやりたいこと」として、いくつかのことを書いていた。
どれもささやかなことだ。
例えば、
*写真の整理 (新婚旅行の写真から始まって、子供たちの写真約18年分…)
*子供たちが書いてくれた手紙の整理 (子供たちが小さい頃に折り紙やメモ帳に書いてくれたのが箱にいっぱい…)
*本を読む
*友達と会う
*お散歩する
*ピアノのレッスン再開
*目指していたスキルアップ
などなど…。
最後の2つは、例の小さな野望だ。
結局、退職から1年の間は、父と過ごした宝物のような時間と、その後の悲しみから、少しずつ前を向けるようになるまでの時間となったが、加えて、ステイホームの状況は、久しぶりに子供たちとゆったり過ごせる大切な時間となった。
そして、この頃からようやく、手帳にかいた「やりたいこと」に、なんというか自然に、すっと気持ちが向き手をつけるようになって、ほどなくそれらがひとつずつ、実現していった。