あれは多分、夏だったと思う。『すっげぇレコードがあるからウチに聞きに来いよ』って誘われて彼のウチに行った。彼のご両親は共働きだから日中は彼一人、大音量でも怒られないんだって。


んで『なになになに?』って督促すると『これだよぉ。これ、家が揺れるんだぜぇ』だって。出てきたのはピンク・フロイドの狂気 。このレコード、針を落とすと曲が始まる前に心臓の音が入っています。

”ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ”。

確かに彼の大きなステレオスピーカーから出てくる心拍の音で家が揺れていました。『すっげぇだろぉ~』。確かにROCKのことをほとんど知らない少年には衝撃的な音でした。それから何か”いけないことをしている”感じもしました。


次はこれ、ジャパンのTin Drum [LIMITED EDITION] [ORIGINAL RECORDING REMASTERED] やっぱり彼から呼び出しで『これはもっとすごいぞぉ』ってことで聞かされました。確かにすごかった、んで彼は嬉しそうだったね。

ドラムのリズムがヘンテコで”これって人が叩いてるんでしょ?”ってもう一度確認したくなるほど。しかも歌声が独特な節回し、歌っているデヴィッド・シルヴィアンは米国雑誌で「世界で最も美しい男」に選ばれた美形なのに歌はめっちゃ自閉的で暗い。そこがまた良いんだけどね。


この2作は私の音楽遍歴に多大な影響を与えました。ジャパンは今でもよぉ~く聞いてるしね。

ところでこれらを教えてくれた山際君、卒業して分かれてから全く付き合いも無く、うん10年。今どうしてるのかなぁ、と思い付いたのでこの記事を書きました、なんか哀しくもありますね。


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