さて今晩は私の影響を受けた本の話です。フィリップ・K・ディック著, 浅倉 久志訳の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 」です。ん~ん、意味深いタイトルですねぇ。
私、学生時代にこの本を読んで”壊れました”、文字通り。この本の余波は大学3年生くらいまでは続きましたでしょうか..。それくらいのインパクトがありますので、ご注意下さい。
話は放射能で汚染された地球が舞台。お金持ちはみんな火星に移住、そんな地球で暮らす刑事・デッカードは火星から脱走した召使(メイドじゃないよ)アンドロイドを抹殺する仕事に従事しております。あぁ、破滅的(ノ_<。)うっうっうっ。
寿命以外、人間と全く変わらないアンドロイドを抹殺する主人公の心の葛藤、周辺に生活する人間たちの現実逃避(ペットと宗教)、アンドロイドの”生への執着と諦め”、などがグジャグジャになって話は進んできます。後半には主人公は”自分が何者でどうして生きてるのか”さえも分からなくなるほど混乱してしまいます。
こう書いていると全く救いの無い話ですが、ラストは泣けます。フィリップ・K・ディックは「救い」は”優しさ、思いやり”で、しかも必ず女性が提示してくれるので、男としてはなおさらジ~ンときます。

ちなみにこの本、80年にリドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演で映画化され、シド・ミードの未来的メカデザインなど、各方面に影響を与えた1本ですので(あのアイアン・メイデンも!)、コチラの方が皆さんには馴染みが有るかもしれません。

ハリソン・フォードがラストで語ります『我々が何処から来て、何処へ行くのか、分かる人間がいるだろうか?』


ただし、フィリップ・K・ディックは原作と違いすぎる脚本に相当怒っていたらしいです。

怒りすぎて映画公開直前にに逝ってしまいました(怒りすぎて、はウソです)。

ディレクターズカット ブレードランナー 最終版


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