『餌(ESA)』。これは日本のロックバンド、
FLATBACKER(フラットバッカー)が
1986年に発表したアルバムのタイトル。
先日このアルバムがどうしても聞きたくなって
デジタルリマスターの再発版をオンラインで購入した。
ネットオークションでオリジナル版も格安で売っており、
1週間悩んだ末、音質重視の結論、新品を買いました。
この苦悩の期間、カミサンに散々馬鹿にされました。
全く”こだわり”の無いヤツはしょうがないね、ったく。
このバンド、パンク、ハードコア、スラッシュメタルを
ガラガラポンした音楽性を展開して当時では全くの”異端”。
当時、多分「ハードコア」って表現は無かったはずなので。
またドスの利いた声で歌う過激でちょっとトホホな歌詞も
忘れられないインパクトがあります。
だってさぁ、1曲目の”ゲリラギャング”のサビ、
♪女が待ってるぅ
コッコッ子供が待っているっ~♪ だよ.....。
この歌、政府軍に追われてジャングルの中を逃げ回る
ゲリラの心情を歌ったもの(のはず?)ですが、
この設定自体が突飛というか、トホホというか、
一般人の枠を突き抜けてしまっているのは確かです。
この後彼らは
♪イ~ジンさんに連れられ~て~行っちゃった~♪
横浜の波止場からではありませんが、
キッスのジーン・シモンズにバンド名も変えさせられ
アメリカに進出しました。
そのバンド名、
E・Z・O(イージィーオー)だって、どうなの??
アメリカ進出とは聞こえは良いですが、
触れ込みは『忍者メタル』、曲調もパンク色は一掃。
ミドル・テンポのヘヴィ・ロックって印象で
今考えるとモダンヘヴィの先取りだけど、
カネのかかったバンドなら結構誰でも作れる感じ。
彼らはそれでもアルバム2枚を製作・発表しますが
結局鳴かず飛ばさずで空中分解してしまうのです。
渡米前の圧倒的なオリジナリティのまま
日本で活動を継続していたらどんな進化を遂げていただろうか
彼らの出現がもう数年遅れていたらどれだけ売れていたか?
こんなことに思いをはせながらも
♪巨大な豚が突如、
お前のカビ生えた耳元で叫ぶ♪
と、
ののしられる私は
やっぱりM体質なのだと納得しました。
