「浅井さんの、そのモチベーションはどこからくるのですか?」


最近、会う人によく聞かれる。





僕のモチベーションは、母の手。



兄の結婚式でハワイに行った。

今から八年ほど前。



大人になってから、

初めての家族旅行。



母の憧れのハワイ。

大好きな家族と。


まるで子どものように

はしゃいでいた母。



僕は反抗期の子どものように

なぜだかそんな母へ斜に構えた。



手をつないできた母に

「ばっかじゃね」と

乱暴に振り払った。



あの時の、母の泣きそうな顔を

今でも忘れることができない。


思い出すと、胸の奥に

ズキンと痛みが走る。



その時は、子どものようにはしゃいでいた母が

死んでしまうとは、思いもしなかった。



今から、三年前。

母は、悪性の脳腫瘍におかされた。




余命宣告。




母はあきらめなかった。

手術を受け、リハビリにチャレンジした。



母が、まだおぼつかない足取りで

歩けるようになった。



僕は母の手をひいて歩いた。

恥ずかしさなんてなかった。



あるのは、切なさだけ。

そして、ほんの少しの喜び。



僕が九歳の頃

祖父の財布から千円をちょろまかしとき

僕の太ももを叩いた母の手。



子供の頃から偏頭痛を持っていた僕。

頭が痛くなるたびに、こめかみを押してくれた、母の手。



バイク事故で入院した十九歳の春。

病院食では不自由だと、

毎日お弁当を作ってくれた母の手。



いつしか、とっても小さくなっていた。

しわくちゃだった、母の手。




そんな母から学んだ。



一生懸命に生きることを。

それから僕は変われた。



生まれ変わった

と、いうべきかもしれない。




だから僕は一生懸命生きている。


そして

一生懸命生きる楽しさを伝えたいから

コンサルタントになった。



もっと全国の営業マンを元気にしたい。

もっと全国の起業家を勇気づけたい。



母が自分の命と引き換えに僕へ与えた気づき。


一生懸命に生きること。




それが僕のモチベーション。