7月になって、お稽古のため季語を
復習しているところだが、
6月の季語と、
どこが違うかという観点でいうと、
7月は、七夕なので、天の川、
銀河、流星、織姫、星祭
があり、これは当然
七夕の星祭りは、中国の民間伝承が
大もとにあって、働きものの織姫が、
彦星と結婚してから怠けるようになり、
神様が怒って天の川の両側に二人を
引き離し、織姫が嘆き悲しんだので、
1年に1度だけ会えるようにした
という話で、
織姫が機織りを得意としていたので、
織姫星にお供え物をして、裁縫・織物
などの上達を願う行事となった。
また、旧暦の7月は、文月とわれ、
これは昔七夕の時期に、書物を
夜風に干す風習があり、
ここから7月を「文披月」
(ふみひろげづき・ふみひらきづき)」
と呼んだようで、それが短縮されて
文月になったとされている。
旧暦の7月は、現在の暦では、大体
8月ころなのだが、昔の季節感としては
秋の始まり、風に涼しさを感じさせる
時期にあたるようで
現代の東京では、
8月はおろか9月になっても、
涼しい風など全く吹かないから、
季節感が全く違うが、これは仕方がない。
ただ、毎年8月25日に開催される
秋田の大曲の花火大会に招待されたとき
花火大会が終わると、急に肌寒い風が
吹いてきたのには、少し驚かされた。
昔の日本は、こんな気候だった
のかもしれないと感慨を受けた。
そのせいで7月の季語には、真夏の季語と
秋の始まりを意味する季語が混在する
ことになって、
夕方には、秋風を感じ始めることから
清流、清涼、
青東風、爽風、涼風、潮風
があり、6月の季語との違いが出ている。
とはいえ、やはり7月はまだまだ
蒸し暑いので、
夏木立、夏日影
夏の空をみると、青空に入道雲が栄える
白雲、雲の海、雲の峰、夏雲
海に行けば、夏の荒波とともに、
海岸には夏風が涼しさを誘う
湖池、川では納涼の船遊びの季節で、
荒磯、海原、さざ波、浅瀬、青海波
浮舟、笹舟、団扇
晴嵐、鳴滝
納涼という観点だと、
氷室、白露、朝露、松陰
夕立、夕涼み、夕凪、待宵
この季節としては、
風鈴、土用、草笛、
空蝉(うすせみ)、蝉の声、ひぐらし
が季節感を感じさせる。
このほか、
白糸、岩もる水、
苔清水、岩清水、青苔(セイタイ)
これらは6月と違いがない。
夏の季語をもつ茶道具を探したら、
井伊家の茶道具に、
古瀬戸肩衝茶入 銘【夏山】
(彦根城博物館 図録
「井伊家伝来の名宝」より借用)