伊達政宗という武将ほど、

文武両道を貫いた武将はいない

武将としても当代一であったし、

茶人としても一流

 

はてさて、

伊達家の茶道具といえば・・・どこに?

この前から書いている伊達家伝来の

名物唐物 岩城文琳茶入は、図録では

個人蔵とされていて、

伊達家の特別展でもない限り、

我々庶民の目に触れることはない

 

細川家には、

永青文庫という財団があって、

細川家所蔵の美術品・茶道具を

維持管理してくれているので、

そこで我々庶民も細川家の栄華を

見ることができる。

 

どうして、こんな違いがでたか・・

「伊達家の茶の湯」(仙台市博物館)

の解説によると、

 

明治大正のころの

伊達家の方々が財務上の理由から

茶道具を売立(オークション)に

かけてしまったからで、

 

大名物の唐物岩城文琳茶入も

大正5年の売立にだされて、処分され

5万6000円で土橋という人が落札し、

転々として個人蔵となっている。

 

このほか伊達家の茶道具は、

岩崎彌之助が、茶道具などの入った

長持ごと買い取っていったことが

記されていて、それが現在の

静嘉堂美術館の所蔵品の一部

となっている。

 

岩崎家も、買うなら買うで、

伊達家の茶道具を全部買っていて

くれたら、今頃は

静嘉堂美術館で、伊達家コレクション

とでも銘打って、見られたのに・・・

 

とはいえ、

そんなことは明治大正期には

珍しくもなく、多くの元大名家、寺社、

江戸の元豪商家で行われていた。

 

時代の変革期といえば、それまでか・・・

 

これは岩崎彌之助が長持ちで買っていった

とされているもので、

唐物茄子茶入 「利休物相」(静嘉堂文庫)

(写真は「伊達家の茶の湯」(仙台市博物館)

より借用)